歯医者さんの一服
歯医者さんの一服日記

2009年06月22日(月) 先生という言葉は便利

今月から僕は某所で新しい仕事をし始めています。数ヶ月前に地元歯科医師会の上司から頼まれた仕事ではあるのですが、先々週から先週末にかけて数日間仕事をしてきました。仕事の詳細を書くことはできないのですが、そこでは他地区の歯科医師会の代表の方と一緒に仕事をするのです。

その組織では、僕は全くの新米です。右も左もわからない新人ですから末席で大人しくしながらの仕事です。仕事の内容を把握しながら少しでも早く新しい仕事を覚えようと必死でしたが、それ以上に気を遣うことがありました。それは、周囲の人たちが僕よりも年上だったのです。僕は今年43歳になったのですが、そんな僕が最も年齢が若いのです。大半の出席者は40歳代後半から60歳にかけて。如何にこの仕事が歯医者のベテランが多いかということがおわかり頂けるのではないでしょうか。新しい仕事に対するプレッシャーと周囲の先輩歯医者に対する気疲れからか、今朝は全く疲れが抜けないままの週明けとなっております。

そんな新しい仕事ではありましたが、改めて感じたことがありました。それは“先生”という言葉です。何せ僕は全くの新人です。周囲の人たちの顔と名前が全く一致しません。それぞれの出席者は名札がついてはいたのですが、やはり組織になじもうとすれば出席者の顔と名前を覚えながら、その人の性格や育ちなども見ていかないといけません。
僕が記憶力が良ければいいのですが、記憶力が悪い僕は一度や二度で人の顔と名前を覚えることが苦手。そんな時役に立つのが“先生”という言葉です。出席者は全員が歯医者の先生です。僕を含め歯医者は常日頃、周囲から“先生”と呼ばれています。ずっと“先生”と呼ばれていますから、“先生”という言葉に対して違和感がありません。
しかも、“先生”にはある程度の気遣いが含まれています。相手を立てるというニュアンスも含まれています。それ故、“先生”と呼ばれているといつのまにか自分が偉いと勘違いしてしまい、周囲に対して上から目線になってしますリスクはありますが、今回のような会議では非常に重宝します。全く顔を知らない出席者に話しかける時に、“先生”と話しかければ、どんな方でも嫌な顔をせずに相手をしてくれるわけですから。

冷静に考えれば異様なことかもしれません。けれども、歯医者の世界、いや医療や教育、法曹界、政治の世界でも言えることでしょうが、これら全く見ず知らずの業界人に対する“先生”という呼称は非常に便利なものであると、改めて感じた次第です。


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