My life as a cat
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2022年11月08日(火) Mon petit copain

登山と栗拾いも終わる頃、時計の針を1時間遅らせて、サマータイムも終わり、ぐんと朝晩の冷え込みが厳しくなって冬に突入する。あとはラジオを聴きながらゆっくり栗の皮剥きして瓶詰めして冬を細々と暮らすのみ。地球環境について学ぶ番組で日本のフードロスがとりあげられてた。規格外の野菜や果物は二束三文でジュースを作る会社に売り渡すしかなく農家に利益が出ないとか、廃棄されたりするという話が印象的。だいたいなんで"規格"からはずれちゃいけないのか?大事に育てた子供と同じ、小さい子もいれば、大きな子もいるし、変わった形の子だって‥。手に取る人にも好みがあるのだもの。フランスみたいに、量り売りにしたらいいのに。わたしはたいていのものは小ぶりが好みでうず高く積まれた中からそういうのを選んでしまうのだが、一度よく行く近所の八百屋のお兄さんににやりと笑いながら言われた。

「知ってるよ。あなたは何でも小さめのが好きなんでしょ」

気付いてたか。こういう暮らしにすっかり慣れてしまうと、みんなと同じじゃないものは下等に扱われるというのはとても奇妙な話。

来月はロクちゃんの二度目の誕生日。早いものだ。最近、ふと気付くと優しいボーイフレンドみたいな感じの時がある。出かけると言えば下駄箱から靴を出して待っててくれたり、帰宅した時も脱ぐとしまってくれる。ドアのところには先に走っていって開けてくれる。セーターについた糸くずをつまんでとってくれたり、おやつのビスケットも半分に割って渡してくれる。料理を手伝うのも大好き。菜切り包丁を手に持ってた時は悲鳴をあげて取り上げたけど、大抵のことは本人がやりたがるままになんとかやらせてる。一度やり方を見せると自分なりになんとか仕上げてくる創造性は逞しい限り。大量にもらったプルーンの種抜きは、小さなナイフで半分に切って種を取り出すのを見せたが、うまくナイフが使えないようで、結局手で半分に裂いて種を取ってた。違う仕事をしながら見守ること30分、ボウルに山積みのプルーンは全て種が取り除かれてた。ピーマンはいつも彼が手で引き裂いたのを料理に使う。わたしがオレキエッテを打つ横では彼なりの鼻糞のようなオレキエッテが。わたしが洗い物をしてる間はフライパンの中のものを混ぜ、わたしがフライパンの中のものを混ぜてる時は、洗い物をしてる風にスポンジを手に持って水を無駄にたれ流してる。毎朝自分のパークのカーペットは自分で掃除機をかけ、寝る前はおもちゃや本、日中散らかした物を全部キレイに片付ける(車はぴったりと駐車されて、掃除機や箒はきっちりカーヴに収められ、戸が閉められてて、あまりにもきっちりときれいに片付けるんで感心してしまう)。言葉も全部わかってて、待っててといえば大抵ちゃんと待ってられる。親のやることは、どんな些細なことも見逃さずによく見てて、なんでもコピーするのだから、わたし達両親が何をするか、何を言うか選択するのは重大な責任。しかし、いつの間にこんなに大人になったのだろうね。顔や体格だっていつの間にかもう赤ちゃんは卒業してて、小さな男の子になってる。フランスでは3歳から保育園へ行くのが義務となった。ロクちゃんは12月生まれだが、新学期は9月に始まるので、来年実質3歳になる前にはじまる。彼の命がお腹に宿って以来一日たりとも離れたことがないのだから、わたしはどうしてしまうのだろう。心配なのは彼ではなく自分のほうだ。

(写真 : お弁当を持ってピクニック。ママとロクちゃんのオレキエッテ)


Michelina |MAIL