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「電車でお年寄りに席を譲らない若者が増えている」
のだそうだ。ニュース番組で若者を対象にアンケートをとり、インタビューをしていた。譲らない理由を尋ねると�狎覆鯲�って断られたりすると恥ずかしいから�爐箸いΔ里�圧倒的に多かった。今時の東京らへんの若者にとっては社会の中でお年寄りを敬い、労る姿勢のない態度を取ることの恥ずかしさよりも、自分のオファーを断られる恥ずかしさのほうが勝るのか、と思ったらぞっとした。親切はオファーするのがタダならば断わるのだってタダだ。気軽にオファーして、気軽に断る。それでいいんじゃないのかな。わたしはヘルプが必要かもしれない場面に出くわしたら一応声をかける。東京らへんのみなさんは(などという表現をするのは関西方面などではまたちょっと違う空気が漂っているからだ)遠慮する文化だから、断られることもあるけど、そうしたら立ち去ればいい。
先日ラゲッジをふたつ引きずり階段を降りようとしようとしたその時、背後から声がかかった。
「おねぇちゃん、オレが1個持ってやろうか」
「え"!?」
思わずこんな反応をしてしまった。振り返るとサラリーマン風のおじさんが立っていた。欧米で、紳士がすーっとあらわれて、
"Madame, let me help you"
などとオファーしてくれるのは何度も経験してるが、こういう言い回しはちょっと違和感がある。しかし、雰囲気は違えど、言ってることは同じじゃないか。東京にもこんな奇特なサムライがいたのか。ありがたくオファーを受けた。
「なにがはいってんだよ〜、重いな〜、よっこらしょっとっ」
おじさんは階段を降りると礼を述べる隙も与えずさっさと歩いていってしまった。その背中は"オレ、いいことしちゃったよ。恥ずかしいな〜"とでも言っているようだった。こんな"恥ずかしさ"は見て見ぬふりする恥ずかしさより何倍も爽やかで後味のいいものだと思いませんかね。