My life as a cat
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2015年01月04日(日) ブラチスラヴァ世界絵本原画展 24th

2年に1度開催されるブラティスラヴァ世界絵本原画展へ。この催しはわたしが生まれる前1960年代から、チェコ・スロヴァキアが分離に揺れた年を除いてずっと続いているそうだ。高校生以下は入場無料と、子供が対象なのだが、絵本は子供だけのものじゃない。頑丈な大人の胸をも揺さぶるような作品がいくつもある。いくつかメモしておこう。


Gu Li 「雲みたいな九官鳥」(中国)
子供達と出会った九官鳥は果物をもらい、素敵な鳥籠を与えられ可愛がられるが、やがて山が恋しくなり歌えなくなってしまう。人間もそれに気付き再び山に放たれた時、九官鳥は自由を取り戻す。どの鳥にも自分だけの夢と幸せの歌があることを伝える物語。

金のりんご賞に入選したこの作品。黒の影絵のような切り絵が中国の深々とした山の雰囲気を現していて趣深いのだが、なによりもわたしが子供の頃、籠から逃げた九官鳥のことを思い出してほろりときてしまった。よくわたしの真似をして妹の名前を呼んでいたが、本当はあんな小さな鳥籠の中ではなくて、大きな木の上で思いっきり歌を唄いたかったのかもしれない。子供のわたしは泣きべそをかきながらキュゥちゃんを捜し歩いたが、帰ってこなかった。


きくち ちき 「しろねこくろねこ」
いつも一緒にいるしろねことくろねこ。でも人々はしろねこばかりをキレイと言い、くろねこは拗ねていた。ある日、色とりどりのキレイな花が咲く一面のお花畑に辿り着いてみると、くろねこはその中でひときわ目をひいた。

ひたすら無垢なしろねことくろねこの物語なのだが、イラストは水墨画なので甘すぎない。しろねことくろねこの物語といえばイタリアで活躍する日本人絵本作家とねさとえさんの″Dove batte il cuore″もとても好きだ。


ノ・インギョン 「ぞうのおじさんと100つぶのしずく」(韓国)
ぞうのお父さんはおなかをすかせた子供たちのために遠いオアシスまで水を汲みに行く。自転車に乗って、おばけにふるえながら。。。100つぶのしずくを汲んだものの、帰り道は太陽がぎらぎらとして容赦なくしずくを奪っていく。子供たちのもとに辿り着く頃にはしずくはなくなりかけていた。すると突然恵みの雨が降ってきた。

著者のお父さんが語ることのなかったその生涯について想像して描いたもの。それは驚きであり悲しみであった。


マリア・クリスタニア 「キリンのジェリーと巨大なバタークッキー」(インドネシア)
この本はインドネシアのスラバヤ動物園で虐待を受けておなかに20�圓離廛薀好船奪�を溜めて死んだキリンへの献辞の意で作られた作品。物語の中でジェリーは高い木の上にある大きなバタークッキーを食べることを夢見ていた。本当に悲しい話だ。


ウェン・シュウ=チェン「見えないおはなし」(グアテマラ)
殆ど白の世界の切り絵。でこぼこを触れば目の見えない人も見える人もそこからイマジネーションが広がる。


荒井 良二 「あさになったのでまどをあけますよ」
これは物語ではなくて、ページをめくるたび、山裾の家、朝が訪れたにぎやかな街、南の島の家、風吹く海辺の家。。。世界のあらゆる場所に存在する朝の風景が現れる。朝のコーヒーを啜りながらめくれば素敵な一日のはじまりになるでしょう。


降矢なな 「ひめねずみとガラスのストーブ」
オレンジ色の輝くガラスのストーブを手に入れた風の子フーは料理上手なひめねずみと出会い幸せに暮らしていた。そこに外国からやってきた風の子オーロラが現れて、二人はひめねずみに留守を頼み旅に出る。。。

ガラスのストーブやひめねずみの料理の温かさが伝わってくるイラストもいいのだが、ストーリーがしっかりしていて、単純なハッピーエンディングはなくて、生きていくことの厳しさを知らしめすような大人の絵本だ。

作者は日本人だがスロヴァキアで勉強された方らしい。


ヨナス・ラウシュトレア 「いたずらカラスのハンス」(ドイツ)
やんちゃな男の子のフリッツに捕まえられたカラスのハンス。その家で飼われるも悪戯し放題。猫を追いまわし、噛みつき、ごちそうは奪ってしまう。そんなハンスに哀れな末路が待ち受けている。

ここでもカラスは悪役だが、カラスは捕らわれの身だから悪さをするのであって、野鳥としては健全な振る舞いだ。これには、動物をペットとして飼うことをもう一度よく考えてもらいたいといういかにもドイツ人らしい作者の意図が含まれている。


牡丹靖佳 「おうさまのおひっこし」
困っている人を放っておけない心の優しいおうさまと6人のおっちょこちょいの家来のコミカルなストーリー。イラストと物語の文字がぴったりマッチしている美しい本。ストーリーも良くて、くすくすと笑ってしまった。


Michelina |MAIL