My life as a cat
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2014年11月23日(日) Les Catacombes

今回の旅で絶対見ておきたかったカタコンブ。ついに潜入。

カタコンブは地下の納骨所で、この地下道はもともと採石所だったが、やがて墓から掘り起こされた600万対もの遺骨が納められた。

午後に訪れると噂通り長蛇の列。10分並んで待ったが微動だにしないので、翌朝出直すことにした。開場は10時。8時半に到着するとまだ1人しかいなかったので、様子を伺いつつ目の前のカフェでクロワッサンの朝食を摂った。

螺旋階段を降りていく。思っていたより深い(20m程度)。納骨所に辿り着くまで曲がりくねった迷路のような地下道を1�匐瓩�歩き続ける。

そしてようやく辿り着くとその先1�劼�らいはひたすら骸骨の世界が広がる。基本的にはガイドのような人はいないのだが、たまたま質問を投げかけた老人スタッフが手厚く説明をほどこしてくれた。しかし、単に英語が得意でないだけかもしれないが、その奇妙なアクセントが妙に薄気味悪く、彼はもしかして亡霊?などと想像してしまう。

ただの骸骨といえども死因によって違いが出る。歯がしっかりついているのもあれば、病死したものなどは頭の形がおかしかったり、またピストルで脳天を撃ち抜かれたものもあった。心無い落書きをされた骸骨もあった。生きていれば感じる痛みも死んでしまえばただのカルシウムの塊だ。とはいえ、16世紀頃から彼らの死体は火葬されず、ただ土中に埋められ、土の中から生の世界の人間を自分のいる地下の世界に誘いこむかのように臭気を放ち、井戸水を汚染し、疫病を蔓延させた。土中から死体が存在感を放ち、生の世界の人々の生活を脅かしていた、と考えると、なんと活気があるのだろうと感動すらしてしまう。

それにしてもフランスというのはこういうところが面白い。だって、パリの地上では男女がキスを交わし、カフェテラスでタバコをふかし、ファッションだのグルメだのとやっていて、その地下では死人達が死後の世界を生きているようだ。

1時間近く薄暗い地下でひたすら遺骨の山と過ごし、地上へ出ると光が妙に眩しく、色彩が美しくて自らの生をまじまじ実感する。

出口では荷物検査をするのだが、後ろにいた女性と係員がこんなやりとりをしていた。

「嘘でしょ?骨を盗む人なんているの?」

「いや、中にはいるんですよ。」

わたしはひとりだけ骨を盗んだ日本人を知っている。詩人金子光晴の妻で同じく詩人の森三千代だ。「ねむれ巴里」という20世紀前半に書かれた夫のエッセイの中でそう書かれていた(ちなみにこの人はベルサイユ宮殿のルイ14世の寵姫ポンパズールのベッドにも潜り込んだというからとんでもないお転婆だったのだろう)。


Michelina |MAIL