My life as a cat
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2014年10月11日(土) 藤城清治 90展























母の薦めで観に行った藤城清治さんの銀座での展覧会。90歳という年にちなんで90作品を展示していた。那須高原の藤城清治美術館とは違い、こちらでは″影絵は写真に収めるのに向いているし、それぞれが好きなアングルで、好きに切り取ってTwitterなどに載せたりするのも面白い″というような作者の意図により撮影が許可されていた。この道一筋、90歳で現役。90年という長い月日の中で戦争が始まり、戦争が終わる。戦況の混乱の中で海軍に入隊し、それでも影絵劇や人形劇を創りつづけた。90歳になろうかという時に東北が大震災に見舞われると、津波にさらわれ瓦礫だけが残った町へ出向いて絵を描いた。そこには慈悲の念とか湿っぽい同情心のようなものは見られなくて、そこにまた芽を出す花や、波止場から1�劼皺,稽�されても生き残った船など、この世の逞しい生命の美しさにひたすら魅入っているようだった。彼の作品の中には小人、猫、魚や花。。。この世のあらゆる小さな生命が登場する。彼らは人間にそっと寄り添い、時には人間の手助けをする。人間界の世情に振り回されることなく、昼寝をし、ダンスをし、楽器を奏でる。彼らは作者の人生の象徴なのだろうか。″自分の世界″の中に築きあげた平穏の中で外界を見つめても惑わされることなく愉しみに耽って生きていた。作品のデスクリプションには″可愛い″″楽しい″″幸せ″といった作者の言葉が目立つ。こういう言葉はあまり″芸術家″と呼ばれる人々が口にしないものだと思っていたのだが、90年生きた人だからこそ素直に心が発する言葉はひたすらシンプルなのかもしれない。可愛くて、楽しくて、幸せに満たされた世界観に触れて、心がすっかりとろけてしまった。あたたかい秋の午後だった。


Michelina |MAIL