My life as a cat
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2014年05月04日(日) カオス

ネットにはビルの5Fと書かれているので一番手前のエレベーターで上がった。レセプションとおぼしきブースにやる気のない中国人のオジサンがぼんやり佇んでいる。プリントアウトしてきた予約番号を見せると″ここじゃない″と軽くあしらわれ、一瞬頭の中真っ白になった。食い下がって聞くと、ビルの中にいくつもブロックがあって、そのアルファベットの記号の書かれたエレベーターで上がるとのこと。気を取り直して、下に戻ってやり直し。確かに住所に書かれたブロックのエレベーターで5Fに上がった。今度は無人。レセプションらしき物もなし。壁に電話番号が書かれているものの、わけがわからずまたもや頭の中真っ白になる。途方に暮れているとバックパックを背負った韓国人のカップルがやってきた。彼らもこのビルの中で彷徨っているらしかった。

「多分7Fにレセプションがある。自分が見てくるので二人はここにいなさい」

と男の子が階段を上っていったのでそのまま待つ。数分後、携帯電話を片手にしたインド人と戻ってきた。彼が管理人らしい。

「何なのこれ?こんなんじゃ解らないよねぇ!」

ひととおり彼に文句をたれ(あちらは謝るばかりだった)、さぁ、落ち着けると思えば、部屋はまた違うブロックにあるのだと言う。発狂しそうになっていたら機嫌を取るようにインド人が荷物を持ってくれた。仕方なく、またエレベーターで下に降り、部屋のあるブロックのエレベーターで上がる。もう怪しすぎる。すでに呆れ果てていたが、意外にも宿の中は清潔でセキュリティーもしっかりしているし、困ったことは何もなかった。それでも何か予期せぬことが待ち受けているのかもしれないと疑って、インド人に聞いた。

「困ったことがあれば、あなたの携帯鳴らせばいいの?」

すると何故か嬉しそうに自分の番号をわたしのi-phoneに登録している(後で解ったことは彼はわたしが自分に好意を持って頼ってきてると勘違いしているということ。どこからそうなったの!!)。

こうしてこのビルの中を30分以上彷徨って、やっと荷を下ろすことができた。

友人と夕飯の待ち合わせをしていたので、さっとシャワーを浴びて下りようとエレベーターを待った。そして扉が開いた瞬間、なんと中には揃いも揃って身長190�僂�らいはあろうかという、マイク・タイソンだかボブ・サップだかそんな雰囲気の大きなブラックガイズが5人乗っている。瞬発的にそのエレベーターを見送ろうとすると彼らが一斉に手招きする。見かけだけで人を判断してはいけないなと自分に言い聞かせて乗ることにしたが、やっぱり人は見かけなのだと10秒後には悟っていた。捕えられた宇宙人のごとく大男5人に囲まれ、上から下まで舐めまわすようにいやらしい視線を向けられ、″Japanese?″″Cute″などと″Cheap" なことを言われ、わたしの人生ここで終わるかもと思った。下に到着するまでのたった数十秒がどんなに長く感じられたか。エレベーターの扉が開いた瞬間に猛ダッシュ。ところが間違って裏口から出てしまった。高層ビルとビルのわずかな隙間でいかにもワルそうなブラックガイズが煙草をふかしている。慌てて引き返そうとすると向こうからも同じような雰囲気の男がやってくる。半べそをかきながら、表通り目指して再び猛ダッシュ。わたしの足はバグスバニーの逃げ足のごとく白く渦巻いて見えたに違いない。

(後で現地の人に聞いたところによると、元々このChungking Mansionのオーナーはインド人で、インドからの出稼ぎを最低賃金で雇ったりしているうちに、麻薬取引など悪の巣窟となっていき、周囲の治安を悪化させ、政府は手を焼いていたのだが、そのうち逆に開き直って悪い奴は一カ所(つまりこのビル)に集めておけばいいというようなことになってしまったそうだ。それでもビルの中がほぼゲストハウスとなっている現在は治安はかなり改善されているのだそうだ)


Michelina |MAIL