My life as a cat
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2013年12月02日(月) Other half

ブイヤベースを食べて家に帰る途中の電車の中での話。

3つ並んだ優先席の真ん中が空いていたので座ろうと腰を下ろしかけた時、2mくらい先に背中の丸まった小さなおばあちゃんがいるのが見えた。目があったので、座ろうとしていた席を指さして手招きすると、何度もお礼を言って嬉しそうに座った。わたしはその付近に立って本を読んでいた。

次の駅でガラリと席が空いた。今度はおばあちゃんが右側の席にずれて、わたしに向かって真ん中の席を指さして、座りなさいと促した。今度はわたしがお礼を言ってそこに腰を下ろした。そして左側に若い男が座った。また本を読み始めると、数秒後こんな声が聞こえた。

「妊娠してるのはわたしなんだけど〜、なんであんたが優先席に座るわけ?」

ぎょっとして顔を上げると、近くに立っていた左側の男の連れの女が男に向かって言っているらしい。そんなこと言われたら誰だって女の腹に目が行く。推定身長160�僉�体重80�圈�年齢38歳。地味な紺色の事務服でスカートは膝下丈に靴下にサンダルを履いている。髪は時代錯誤のソバージュ。つわりが酷くて身なりにかまっていられないのだとしか思えない。わたしが席を立つべきなのだろうと狼狽えているとおばあちゃんもおどおど狼狽えている。とそこに、男が言い放った。

「オマエなんて妊娠するかよっ。デブなだけだろっ」

え?そうなの?譲ろうと浮かしかけた腰をひっこめるわたしとおばあちゃん。男は20代前半くらいで渋谷を歩いていても違和感のないカジュアルな服装の至って標準的な見た目。そしてなおも続ける。

「大体妊娠するような年かよっ。俺よりひとまわり上だろ」

「ひとまわり?うるせんだよ!」

「大体お前の産むのなんて人間の子じゃないだろっ。死ね」

「おまえこそ、死ねよ」

二人ともかなりの低能のようだが、これは兄弟喧嘩か何かなのだろうか。とそう思い始めた時、電車がガタリと揺れてよろめいた女が座っていた男の手の上に自分の手を重ねた。そしてそのままじっとしている。ぎょっとしてまたおどおどするわたしとおばあちゃん。そういう関係なの?それともこのひとまわり上の女の誘惑なのか?二人は手を重ねたままなおも罵り合っている。

「で、今夜何食べる?」

と女が聞く。はっ?やっぱりそういう関係なの?

そして次の駅で扉が開き、席を立った男が女の腰に手を回し、二人で嬉しそうに降りて行った。

結論は

「人はどんなであれ、自分と合う人に巡り逢えれば幸せである」

残されたわたしとおばあちゃんはショックのあまりしばらく固まったままであった。


Michelina |MAIL