DiaryINDEX|
past|
will
一度観てみたいと申し込んだお能のペアチケットが当たった。しかし、連絡が来たのが水曜日。焦って同行してくれる人を探して、中国人の元同僚のシュウ君になんとかつきあってもらえることになった。
二人とも知識なし。事前にちょっとお勉強をして臨んだ。4部のプログラムからなる5時間の舞台。一部目の「翁」が始まって30分であくびがでてきた。隣のおじさんもあくびしてる。そうして約1時間が過ぎて次のプログラムに移ろうという時に、前列座席の人々が去っていって、妙に見晴らしがよくなった。二部は狂言。これは初心者にも解るようなストーリーがあるので面白い。しかし、シュウ君にはやはりちょっと難しい。休憩時間になると、周囲から"解らんなぁ"というような声がちらほらと聞こえてくる。三部の名作といわれる"東北"が始まるころにはもっと座席が空いた。始まって15分。やはり解らないわたし達。おなかが空いたので切り上げることにした。こうして初のお能鑑賞は幕を閉じた。着物を着て、楽しそうに観ているご婦人方もいるくらいで、観る人が観ればすごく面白いものらしいのだが、初心者のわたし達は、予習したこと、("あのお面が姥だ""あのお面が、若女だ"、"やっぱり舞台の背景は松と竹だ"とか)がそのまま出てきたのがほんの少し嬉しかっただけであった。
シュウ君と会うのは実に2年ぶり。イタリアンレストランでパスタを頬張りながら、おしゃべりを楽しんだ。彼が出張でよく行く"観光地でない東南アジア"の話などすごく面白い。ムスリムが多いところなんかはもう会社内に小さなモスクがあって、就業中でも時間になるとお祈りに行っちゃうそうだ。空港までのタクシーを拾う。フライトの時間までギリギリだから急いで欲しいと告げる。しかし、ドライバーはお祈りの時間だからとガソリンスタンドのモスクに寄って、彼はひやひや時計と睨めっこしながらタクシーの中で待たされたとか・・・想像するとコミカルで笑える。
彼は英語圏に一度も行ったことがないのに、まったくアクセントのないアメリカ英語を流暢に話し、日本語はほぼ1年で会社で働けるくらいのレベルまでマスターした。そんな彼に、新しい語学を習得するコツについて聞いてみた。
「とにかくニュースをよく観た。吐きそうになるまでね」
ということだ。彼が特別能力が長けてると片付けてはいけないね。その裏にはやはり血の滲むような努力があるということですな。