My life as a cat
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2012年11月24日(土) Les Amants du Pont-Neuf



















ティーネイジャーのわたしがひどく入れ込んで何度も観た映画のひとつ"Les Amants du Pont-Neuf(邦題:ポンヌフの恋人)"。レオス・カラックスの作品で主演は若く美しいジュリエット・ビノシュとドニ・ラヴァン。失恋の痛手と失明の危機にさらされ、家を飛び出してホームレスになったミシェル(ジュリエット)と孤独なホームレスのアレックス(ドニ)がポンヌフで出会い、ポンヌフで遊び、ポンヌフで愛し合い、ポンヌフで再会する。全てがこの橋の上だった。たったひとつ失いたくないものを手にした男はそれを守るためなら罪をも犯してしまうのだ。何もない男だからこそミシェルを思う気持ちがあまりにも大きくフォーカスされて心打たれるものがあった。そして何よりも映画の構成がアーティスティックで当時のわたしには最高にクールに映った。

あれから何年もしてこの映画の舞台を訪ねてこられるとは。橋は修復などされたのかもしれないが、見た目は映画の中となんら変わっていなかった。

さて、パリでは女のホームレスを何人も見た。また犬と一緒に座りこんでいるホームレスも多い(さびしくて身を寄せ合っているという風ではなく、明らかに犬をダシにお金を恵んでもらおうという商売根性のようなものが感じらえれる)。アフリカから押し寄せる移民問題などというが、パリ市内を歩くそのような見た目の人々は問題を起こすどころか勤勉にさえ見える。夜にエッフェル塔付近で暗闇からニョキっとピカピカと光るエッフェル塔が表れ、驚いてのけぞり、よく見ると黒人達が全身真っ黒な服を着て" One Euro! One Euro!"とお土産を叩き売りしてたりするのだが、それだってただ座り込んでお金をねだる人々よりもよほどまともだろう。どうしたものか、ホームレスはみんな白人である。


Michelina |MAIL