My life as a cat
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2012年11月11日(日) まいにち ごきげんさん

ハリネズミのクッキーを作ってみた。見た目もとにかく可愛いのだけど、クッキー生地もしっとり濃厚、そしてこのハリネズミ君たちのおなかにはナッツやドライフルーツが沢山つまっていて味も抜群だ。

行きつけのヘアサロンでパラパラとめくっていた雑誌で田辺聖子さんの「まいにち ごきげんさん」というコラムに目が止まった。何気ない会話の中でさりげなく相手を気持ちよくさせるのが日常をよりよくするヒントだ、というような内容だ。彼女の書くものの中の会話はほぼ関西弁だ。関西の人はお世辞がうまい。きついつっこみなどはことさら関西弁でなければならないと思う。たとえば道でばったり会った人の名前がぱっと思い出せなかった時、
「美人の○○さんやね」
などという形容をつけるだけで、相手は名前を忘れられたことよりも"美人の"と言われたことのほうが印象深く悪い気持ちにはならない、とかそういう話術のこと。

そしてすごくぐさりと来た話は、久々にばったり会っても相手が明らかに自分を無視して通り過ぎようとしているような場面ではこちらから話しかけないほうがいいということ。相手は状態が良くないのかもしれない。だから羨ましくなるような知人の近況は聞きたくないのだと。いつかその人の状態が回復して
「あの時は死ぬほど辛かったわっ」
と笑い話にできるまでになればあちらから話してきてくれるから、ということだった。
「わたしくらい年をとると、"あの時、あぁ言ってあげればよかった"ということよりも、"あの時何も言わなくてよかった"ということのほうが多くなる」
という言葉が妙に響いた。昨年10年来の親友が失業してそれ以来会っていない。会ってくれないのだ。3度声をかけたが、3度断られた。用事があるというが、リアレンジした日付などを言ってこないから明らかに会いたくないという意思表示なのだろう。失業して経済的に遊びにいくのも苦しいのかもしれないし、そんな気分でないだけなのかもしれない。メールで沈んだ様子が伺えたので、励ましたくて遊びに行こうと誘ったのだが、あちらからしたら仕事がある人はいいわね、そんな余裕があって、という気持ちだったのかもしれない。もう一年会っていない。いつか彼女から連絡してきてくれるだろうか。良い時も悪い時も一緒に過ごせるのが必ずしも友達ではない。悪い時にそっとしておいてあげるのも友情だね。


Michelina |MAIL