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| 2009年05月16日(土) |
Planet Earth |
インディアン・ガイが帰ってきた。髪がさっぱり短くなっている。400円払って、日本でいうカリスマ美容師の手にかかったらしいが、それは角刈りですか?メガネも変わった。イタリア製の高いやつを新調したらしいが、同僚一言、"大木凡人みたい"。お土産は石でできた親子象の置物と手縫いの刺繍の入ったクッションカバー。着かず離れずの距離を保って、ただ一緒にアイスクリームを舐めながらまどろむランチタイムが戻った。人の気持ちに土足で踏み込むような人ではないけれど、若いだけにありあまった情熱のやり場のなさにやきもきしているんじゃないかという時がある。けれど、今のわたしは草臥れた老女のように横たわったまま起き上がる力を惜しんでいる。
"Earth"を鑑賞。BBCのドキュメンタリーで殆どがもうどこかで見たことのあるものだったけれど、それでも改めて雄大な自然の厳しさと優しさに胸を突かれる。春もせまったまだ寒い冬の日に産み落とされた2匹のホッキョクグマ。おかあさんは5ヶ月も何も食べず脂肪が削げ落ちてやせ細った体から最後の栄養をやっと振り絞るように母乳を与える。おとうさんは獲物をさがして歩き回る。歩いて歩いて、餓死寸前。最後の力を通常はやらない危険なセイウチ狩りに賭ける。様子を伺い子供にアタックするもその背後から大人の鋭い牙で足を突かれる。大奮闘の末、獲物を逃した。最後の賭けに負け、足にも傷を負い、歩くのがやっとという状態になった。あとは死を待つしかないのか。年々北極の氷が解けて足場がなくなり、狩には不利な状態となってホッキョクグマは餓死し続ける。映像には一度も民家や人間が出てこない。しかしこんな秘境に生活苦を及ぼすのは人間の仕業なのか。その人間はといえば、もっともっと豊かになろうとするあまり気を病んで自殺に追いやられたりする数奇な生き物だ。