My life as a cat
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2006年03月16日(木) Au revoir Montpellier

とうとう帰国日となってしまった。2週間前にクリーナーとして入っていたあまりにも暗い表情をしたアフリカ人女性はぴったり来なくなり、代わりにご機嫌なラテン系の女性がドタバタと走り回るようになった。朝にドアをノックするコンッコンッという音すら憂鬱に響いて、開けると人生に失望したような顔でモップを持って立っていて、寝坊するわたしを無言で脅かした彼女はどうしてしまったのだろう。

ランチタイムにナビのアーノルドも乗せて黒のルノーで空港へ送ってもらった。フランスの交通事情はひどい。のんびり屋の顔のまま思いっきりアクセルを踏んで気まぐれに走ってしまうのだから恐ろしいことこの上ない。彼らを"Naked Driver"と呼ぼう。

車中でアーノルドに中国人がやってる日本食屋が大盛況なことや、度々「ニーハオ」と言われたことなどを話す。アーノルドは笑わない。マーティンが「何度も言うけどミケリーナは日本人だよ」と付け足して初めて笑ってくれた。外国の観光地で日本が大好きですなどと言われてしまう煩わしさを思えば、この無関心もなかなか心地良い。

チェックインを済ませ3人でランチを摂った。食事中もフランス人のアーノルドは自然とSweetで「ミケリーナ、このチーズ美味しいよ。食べる?」などと言って切ってお皿に乗せてくれたりする。それをマーティンはニヤニヤしながら傍観している。ドイツ人が照れちゃってできないことを自然とやっちゃう彼らと、それに明らかにトロリとしちゃう日本女子を見るのが面白いに違いない。食事中にボーディングタイムになってしまったので「ゆっくりしてて。わたしはもう行くから」と立とうとすると、「遅れたら次のに乗ればいいじゃん」とマーティン。電車じゃあるまいし。。。「ちょっと遅れていくのがフランス人のマナーだよ」とアーノルド。。。。そうでしたか。

が、ゲートに着いたら「マダム!走ってください」と言われてしまった。メルシーボクーとアーノルドと握手をするとそのまま引き寄せられ頬をくつけられた。あぁ、そうか、そうだったと慌ててもう片方の頬をくっつけて振り返るとまたマーティンがニヤニヤ笑っていた。


Michelina |MAIL