気がつきゃライブの時間だぜ
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| 2010年07月17日(土) |
◎日比谷野音2010@日比谷野外大音楽堂 |
あれだけ頼んでいたにもかかわらず、 全然情熱のないうちの夫は、 生中継の録画に失敗しました。
いやいや、再放送がある、と自分をなぐさめたものの いざレポを書こうと思うと、
まてよ、この古ぼけた頭の曖昧な記憶でええ加減なことを書いたって 生中継録画を見た人にとっては 噴飯ものだな、 第一、記録された映像があるのに レポなんか必要ないよな、と思いましたので、 今回は、自分の感じたことを書こうと思います。
(実は、そうは言いつつも 昨日、エレ友さんに録画した映像を見せていただきました。 見ながら、自分の記憶と感じたことを 再度確認することが出来ました。 約2時間半強、ほとんどしゃべることもなく ひたすら画面を見続ける時間は まったく至福でありました。 ありがとうございました。)
今回の野音も、チケットははずれ。 でも、心暖かき人たちにチケットをゆずっていただき 無事会場に入ることが出来ました。
しかし、ここに来るまでが大変でした。 もうかれこれ 10回くらい参戦している野音で、 ある程度 余裕も出来てきたと思っていたのに なぜかホテルから出かけるころから ものすごい緊張してきて 心拍数も上がってきて まるで初めて野音に行くかのような状態になっていました。
なんでなんやろ? いったいなにが自分の中で起こってるんやろ?
あんまり緊張しすぎて 地下鉄で涙が出てきました。 なんやねん、ほんまになさけない。
霞ヶ関の駅から 地上に上がる階段にさしかかると 「うつらうつら」が聞こえて来ました。
宮本さんの声にこれまたぐっと込み上げてくるものがあったのですが、 なんだか、ああ、ほんとに野音あるねんなあ、と思うと 緊張よりも喜びの気持ちがあふれてきて 気持ちがだんだんと落ち着いてきました。
で、野音前に行くと、たくさんの友人。 再開の笑顔を見ると 誰もがみんなこの日を待っていたことがわかって もうすっかり 野音の開演を心待ちにする自分にもどっていました。
でも、なんでこんなに緊張してたんやろなあ。
グッズは、いつもに比べたら結構よかったように思います。 だけど、全然買おうっていう気にならなくて。 ほしくないんじゃないんです、ほしいんです。 でも、長蛇の列を人事のように見ていて なんか 「わたしが買わんでも買う人いっぱいいるやんな。」みたいな、 なんなん? わけわからん。
いつもどおり、10分くらい遅れて宮本さんが出てきました。 白シャツです。
一曲目は、「おはようこんにちは」でした。 いきなりのすごいシャウトに圧倒されていると なんかようわからんですが、 くるりと一回転して 思わず笑ってしまいました。
それから順不同ですが、 「ドビッシャー男」「うつらうつら」「too fine life」 「シャララ」「道」「人間ってなんだ」「星の砂」
というようなかなりな歌が歌われていきました。
ついぞ見たことのない生着替えもありました。
TVが入っているというのに まったく要領の得ないMCもありました。
「大丈夫!」 と答えた人に 悪態もついていました。
モニター転がす、靴を脱ぐ、マイクコード引っ張る、 リズムはぐだぐだ、歌詞はぼろぼろ、踊りはくねくね・・・・
これが新春ライブでわたしたちを廃人にした人なのでしょうか。 あの、素晴らしいライブで 会場中を大絶賛の拍手でうずめた人でしょうか。
もう、わたしは、見続けていくうちに なんだかとってもうれしくなってきました。
わたしは、去年の武道館も、野音も、新春も ほんとに感動したし、 この上もなく素晴らしいライブだったと思っています。
でも、今日のこのライブを見て わたしの一番よく知ってる宮本さんは、こういう宮本さんだし、 これが本来のエレファントカシマシのあり方なんだと思いました。
こういう書き方をすると、 ギターを投げたり メンバーを怒鳴ったりしていたころの エレファントカシマシの方がよかった、 と、言ってるように聞こえるかもしれませんが、 決してそうではありません。
あの頃のエレファントカシマシはエレファントカシマシで、 エレファントカシマシの軌跡においては ひとつの大切な時期であったとは思いますけど あの頃の方がよかったとは思いません。
ギター投げないほうが 絶対いいんですから。
去年一年の、感動を思いのままにしたエレファントカシマシは、 いわば、ハレの舞台のエレファントカシマシだったと思います。
たとえば、発表会とか、卒業式とかで、 しっかりと成長した姿を確かめ、 ようここまで来たもんや、と感動に打ち震える、 そういうコンサートだったと思います。
でも、今日はちがう。 ハレの舞台を終え、力を蓄え、本来の姿にもどったような そんな気がしました。
そう、大阪の新春で、宮本さんがライトを引きずって走ったとき、 わたしは 「やった〜!!」 って思いました。
今までのライブは、 ちょっと極端な言い方をしたら 新規のファンの方々に向けてのライブで わたしたちは それをまるで授業参観のように 少しひいた立場から 「うんうん、立派になったよな。 素晴らしいことや。」 なんてな思いも 少なからずあったように思います。
そして、新しいファンの方々が 宮本さんの歌に心ひかれていく様を見て 自分の選択は間違いなかったなあ、なんて 自分の歴史を振り返ったりもしていました。
だけど、今回の野音は、 新しい人とか、古い人とか、 そんなものは関係なく これが、エレファントカシマシだぜ、 受け止められるやつだけ、受け止めろよ!
みたいな、ものすごくごつごつしたものを感じました。
そしてそれは、以前のようなちょっといきがったとんがり具合ではなく、 ハレの舞台を成功させ、 自分の中に 決して思い上がりでない自信と 自分たちのあり方に確信を持ち、 ハレでなくても 普段の姿で一生懸命やっていけば伝わるんだと結論づけたように感じました。
それは、新曲にも現れていたように思いました。 もう蔦谷路線はうんざり、というような意見も読みましたが、 わたしは、これは、 蔦谷さんがどうこうってことではなく、 蔦谷路線から離れてきていると思っています。
今までの言い方でいえば ハレの歌ではなく ケの歌にもどってきている、と。
「昨日見た夢を正夢にしよう」
宮本さんには、まだまだ正夢にしたい夢がいっぱいあるんや。
たとえチューリップの歌に似ていようと フローネの歌に似ていようと わたしは この2曲とても気に入りました。
帰っていろんなレポや意見を読むと、 どうやら今回の野音は あまり評判がよくなかったみたいです。
しかし、わたしはそれさえうれしくなりました。
今回の野音は、わたしの宝物です。
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