気がつきゃライブの時間だぜ
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| 2008年08月05日(火) |
◎お笑い怪談の夕べ 「本物のユーレイも出るよ!」@天満天神繁昌亭 |
とても楽しみにしていた会です。 去年すごく楽しかったから。 それに 途中で黒の着物に着替えた 福笑さんの姿が ほんとに素敵だったから。
そんなわけで 張りきってチケットを取ったせいか、 なんと最前列でありました。
最初は たまさん。 白の着物に 流水の模様、 黒の半襟と黒の帯が とても素敵でした。
たまさんの黒の半襟は いつもすごく素敵です。
噺は 「ホスピタル」 でした。 確か 二度ほど聞いた話ですが、 今日が一番おもしろかったように思います。
次は 林家染雀さんで 「腕喰い」。 なんかね、マクラでちょっとおどかされて オチあんのかいな、と思ってたらオチなくて けったいな気持ちのまま ネタにはいっていきました。
どっちかというと 笑いの少ないネタなんでしょうか、 講釈を聞くように 聞き入ってしまいました。
サゲのところ、 若旦那が 「なに 食うてんの? ややこの腕かいな。」 って なんで驚かんの、この人。
でも驚かんのが 特別不思議でもないような、 うん、最後までけったいな気分でした。
いい感じでした。
染雀さんのてぬぐい、扇雀飴のマークみたいなのついてました。
中トリは 桂米佐さんの 「猫の忠信」。
米佐さん、浄瑠璃習うてはるんですね。 浄瑠璃の笑いのところ、おもしろかったです。
化けてた猫が 正体を見破られて 猫にもどって 身の上を述懐するところ、 「樟葉」 とかでやる狐言葉やなくて 猫言葉になってて とてもおもしろかったです。
ねこの振りも興味深かったです。
きつねって言うのは よくあるけど 猫って わたしは初めてでした。
何でもネタおろしやったそうです。
よかったです。
中入り後は 旭堂南鱗さんの講談。
「応挙と幽霊の花魁」 やったかな。
じっと聞きながら 講談と落語って 紙一重やなあ、 一番の境目って どういうところなんやろな、と思いました。
きっと聞く人が聞けば 落語のしゃべり方と 講談の話し方は おおきなちがいがあるのでしょうけどね。
聞いてるうちに 春之輔さんの 「もう半分」 をふと思い出しました。
こういうお話に出てくる居酒屋さんって 重要な位置があるみたいですね。
さて、待ってました、福笑師匠です。
もう割れんばかりの拍手。 講談でうとうとしていた隣のおねえさんも 力いっぱい拍手してました。
今日のお召し物は とてもきれいなペパーミントグリーンに 白の小紋がちらしてあります。
あの色は 和名では表せないですね。
マクラは 怪談噺の会でありながら すごく御陽気な語り口で でも、お客さんが二人しか入ってない二階席のことを 「なくなった落語家さんが そこで聴いてるらしいです。」
って、にこにこしながら言ってました。
おもしろかったのは、 話し始めたときに 手で指し示しながら
「まだなんにもおこりませんからね。 だんだん、こうなってこうなって こうなるんです。 まだ、ここらあたりです。
このへんから いこうぜ〜! ってなって ゴールはみなさん一緒にしましょう。」
これめっちゃおもしろかった!
「いこうぜ〜!」 は いぇ〜ぃ! みたいなフリで かわいいっていうか、若いっていうか、 あ〜、ヒロポンズ・ハイ、楽しみ〜〜〜!!
噺は オリジナルの 「真田山慕情」。
出家した恋人と内緒の逢瀬を重ねる、おそめという女性が 手引きの男にだまされて 主人のお金に手をつけ 打ち首となり、 その恨みをはらすため、 男の女房にとりつくというようなお話でした。
真夜中に目覚めた男が おそめにとりつかれた女房に次第に追いつめられるあたりから 場内の照明は 除々に落ちていき、 下から照らされるライトに浮かびあがりながら おそめの恨み事を語る師匠は ほんまに怖かった・・・・・。
そして、真っ暗になったところで 後ろからユーレイ登場。
「うらめしや〜、 悪気があってでてきたんやないよ〜、 これもおしごと〜。」
爆笑してしまいました。
「つめたいやろ〜、こんにゃく〜。 スーパーでこうてきた〜、 今月の特価品〜。」
そんなこと言いながら 舞台に上がる階段のところまできたとき、 階段の横にいてたおじさんが ユーレイに御祝儀を渡してました。
「この恨みはらさでおかりょうか〜。」 と口上を言って ユーレイが消えた後、照明がつくと、師匠は
淡い淡いクリーム色に 茶色で 芝露みたいな、もう少し四角っぽい模様の入った 着物に着替えておられました。
「金兵衛夫婦はとり殺され、 じょうねん寺に通う露地には 季節はずれの彼岸花が一輪 真赤にさいておりました」
はぁ・・・・ 詩人やん、お師匠さま・・・・
もう、うっとりです、わたし。
去年にましてよかった。 去年は 怖いようなおもしろいような、でしたが、 今年は 怖さがおもしろい会でした。
いつもの福笑さんとはちがった魅力で 魅せられました。
ほんと、ノックダウンです。
照明がついた後の師匠の着物は めちゃめちゃ素敵でした。
去年は 凛々しい黒の着物に息を飲みましたが、 今年は その清々しさに思わずため息・・・・・。
ええい!
10月の過激落語会も 絶対いくぜ〜〜!!
ところで、この日は夕方集中豪雨がありまして わたしはそれに合うことはなかったんですが、 夫は ずぶ濡れになって繁昌亭にやってきました。
それで、染雀さんのあたりから 繁昌亭の屋根ににあたる雨の音が ものすごく大きくなってきて 雷の音なんかも 微かに聞こえてきたりして 効果音のように 怖かったです。
しかし、効果音でなく 偶然の起こった音という方が よけい怖いかもしれないですね。
怖いと言えば、先ほどのユーレイ、 舞台に上がっていく階段の前で 草履を脱いでいました。
舞台は履き物はいて上がっちゃいけないんですね。
草履はいてるユーレイっていうものおもしろいですが、 妙に律儀なユーレイっていうのも なかなかおもしろいですわ〜。
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