職場で歌舞伎の切符が　割引で買えたので
　いつもお世話になってるおばあちゃんを誘って
　松竹座に歌舞伎を見に行ってきました。

　文楽や狂言は　しょっちゅう通ってるわたしですが
　歌舞伎は初めて。

　なんか　わくわくです。


　最初は　「毛谷村」。

　幕が上がって　剣術試合の場面が現れた瞬間、

　「あ、わたし　歌舞伎すきになる。」

　って思いました。


　なんだかわかりませんが、
　舞台の様子、役者さんの型、全体の雰囲気、
　それが　心にびしっと響きました。



　舞台の右に文楽で言うところの床があって
　義太夫が語られてました。

　で、わたし　イヤホンガイドを借りてたんですけど
　なんか義太夫や役者さんのセリフに集中できなくて

　もう筋とかそんなんわからなくてもいいから
　両耳で　直に聞こう、と思い、
　イヤホンをはずしました。


　うん！

　これの方がずっといい！


　生で聞いてりゃ、
　そりゃなんて言ったって日本語やもん、
　なんとなく筋はわかるもんですね。



　で、これに2歳くらいのこどもが出てたんですけど
　これがまあ　かわいいのなんのって！

　こんなに小さいのに
　ひとりで花道通って登場してくるんですよね。

　すごいもんやなあ、日本の芸能は。





　次は　「勧進帳」。

　これはお話は知ってるものの、
　武士言葉のせいか　言葉の意味がわかりづらかったです。

　でも　弁慶の所作やにらみ　（・・っていうんですか）は
　すごく素敵でした。





　そして　「封印切」です。

　これは　何度も文楽で見たことあります。

　でも　藤十郎の忠兵衛が出てきた時　びっくりしました。

　色男役なんだけど
　結構ちゃらちゃらしてて
　なんだか軽いノリで

　え？　これが忠兵衛？



　文楽では　忠兵衛は情けない男ですけど
　凛としたところがあって
　悲壮感漂う感じがするんですが

　こちらは　冗談とばして
　うじゃうじゃしてて
　いちゃいちゃしてて

　なんかイメージがちがいました。



　でも　だったらいやだったのかというと
　そうではありません。

　そんな男が　プライドと恋しい人をかけて
　破滅の道を突き進んでしまう
　その心の動きが　生々しく伝わってきて
　胸を打ちました。

　粋と色気とユーモアの中の悲劇に
　気がつくと　すっかり捕らわれていたわたしでした。





　でも　文楽の　「封印切」　もだいすきです。

　当たり前のことですが、
　歌舞伎は　人がやっている分、人間っぽさがあります。

　文楽は　もっとシンボリックで　硬派な感じがします。



　ああ、どうしよう！

　どっちもだいすきです。

　またひとつ　道楽が増えてしまった・・・。





　追記1　　 文楽の新春公演も　「冥途の飛脚」です。
　　　　　　こうなりゃ見に行きたい！

　追記2　　 おばあちゃんが　
　　　　　　はり重のお弁当をおごってくれました。
　　　　　　大阪にいながら食べたのは　初めてでした。
　　　　　　おいしかった！

ちどり ｜Home