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向日葵のように
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2007年08月26日(日)
指輪

仕事中、ずっと彼の指を見てた。
右手にはしてなかった。
立ち位置的にあたしからは彼の右手しか見えなかったから。

右手に指輪はない。
少しホッとしたけど、
左手にあったら絶望的。

何度も見てたけど、
ちょうど角度的に見えなくて。

彼があたしのテーブルに延長確認来た時に、
真正面になったからあたしはまじまじと見てた。


指輪は、
―――ない。


…あたし、何考えてるんだろう。

あたしが関与すべきことじゃない。


彼に彼女が出来ても、
あたしには関係のないこと。
…彼にとってはね。
あたしの心が勝手に挫けるだけ。


そういえば、
今日は元彼と今の彼女さんとの記念日かも。

元彼の家に泊まったとき、
見ちゃったんだ。
ペアリング。
内側には日付が彫ってあって、
確か、それは今日だった。
はっきり覚えてないけど、そんな気がする。


指輪って怖いな。

元彼とのペアリングを彼に返したのは、
いつのことだっけ。
どのタイミングだったっけ。

良かった。
忘れてる。

というか、当時のあたしの記憶は
おかしくなりすぎて狂ってたから。
まともに思い出す事は出来ないだけ?

外した日の痛みもわからない。

彼と付き合って
「指輪が欲しい」ってはにかみながら言ったあの日は、
未だに忘れてないよ。



明日からまたバイト行くから、
きっとあたしはまた彼の手を見るんだろう。

黒か白か。
それがはっきりわかるまで。

黒の可能性が高い。

けど、泣いてるわけにはいかないんだ。

あたしは、
商品。
店内に居る間、
従業員に感情を抱いてはいけない。

それがわかってるから、
あたしは大丈夫、よね。




次にあたしが左手の薬指を託す相手は誰?
それが最後の相手でいい。