日記っぽいモノ。

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話す事。
2006年03月05日(日)

過去に自分の身に起こった事を話す事って、
私には、物凄く難しい事に思える事の一つだ。

解離性同一性障害と診断され、
カウンセリングを受けていた頃の治療中でさえ、
誰にも話さなかった事を誰かに話すのは、特に難しい。

私の場合、
統合が出来た大きな理由は、
「過去の事象を全て受け容れ、消化出来たから」ではなくて、
「過去の事象を受け容れる準備が全人格に出来たから」だったから、
統合してみなきゃよくわからんって部分が多かった。

勿論一部の人格同士は、
話し合いを繰り返したりする中で、そういった事柄にも触れていた訳だけど、
それは、自分の中でする事であって、外に向かってその情報を発するのとは何かが違う。

最近(最後の入院後半あたりから)になって、
主治医との面接で過去の記憶について触れる機会が増えて、
その過去の自分に起こった出来事を誰かに話すようにと指示されて、
それからやっと、話す事に関して前向きに考え始めた位だ。

そう言われても、
いつ誰にどうやって話したらいいのか全く見当がつかず、
取り敢えず、自分で整理出来ない事には始まらないと思ったので、
色々書き出して、年号と照らし合わせて間違って無さそうだと確認したくて、
書き出す作業にばかり熱心になっていたけど、何だかそれも違うような気がして来た。

書き出す作業をしていると、自分の過去に起こった事が把握出来るけど、
把握できるのは、本当に“起こった事”だけで、なぜそれが起こったかまでは把握出来ない。

そうして、私が次にした事は、
「それが起こったのは自分のせいではないか」
「自分が何か悪い事をしていて、実はそれは自分にとって都合が悪いから忘れてるのでは?」
等と自問する事だった。
そして、もう一度その事象について考え直し、
自分が悪いからという構図に無理矢理はめ込みながら、
「きっとこういう事だろう」と考えている最中に、
ふと、「これじゃいかん!」と思った。
その流れは、自分が人格を解離させた時とそっくりだと気付いたから。

そこまで気付いても、
だったらどうしたらいいかがなかなか思い浮かばず、
また解離したらどうしようと、大分脱線した所で悩んでしまった。

だから主治医は他人に話す様に言ったんだろうけど、
この時はまだ、その事と結び付けて考える事は出来なかった。

そこから抜け出せたのには、ありがたい事に、友人達に拠る物が大きい。
「思ってる事話してごらんよ」って言ってくれたり、
私が話した事に対して、自分の意見を言ってくれたり、私の思い込みに依る勘違いを正してくれたりした。

そういった事が重なる内に、過去に起こった事の話にまでは及ばないものの、
自分一人で考えている事がどんなに不健康か、どんなに勘違いに陥りやすいかって事に気付いて、
やっと過去の事を他人に話す気になって来た。

勿論、突然ヘヴィな話は出来ないし、今でも墓まで持ってく気でいる記憶もある。

それでも最近は、少しづつだけど、
友人や一部の家族には、過去の事も話す事が出来るようになって来ている。

思い切って話してみると、
相手が私の話した事に対する意見を言ってくれて、
自分が悪かったという思い込みから開放される事になって、
とても気持ちが楽になる事に気付いた。

主治医に言われてから、
他人に話すって所に辿り着くまでに、
随分遠回りしてしまった様な気がするけど、
“ずっと繋がっている記憶の中で何かを見つけられた”って事が、
他の面に置き換えても、これからプラスに働くと思う。


2004年03月05日(金) 【奈那子】ちゃんの秘密(なお)
2003年03月05日(水) 【まりや】日和(朱夏)

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