この世のような夢

2006年02月19日(日)




メメント・モリ!(死を想え)




昨年、神戸でやってたのを見逃したので、昨日、朝日ベストテン映画祭で、テオ・アンゲロプロス監督の「エレニの旅」を観ました。よかったので、むしろ感想が言いづらいです(そんなときって、ありますね)。ぐさっと刺されて、こころを抉られました。前作「永遠と一日」という映画のときも、感動で沈没してただけでしたが。

この監督の映画には、"ポエジー" がいっぱいです。一部の作品を除き晴天はありません。基調は曇天です。今回も、長ーいワンショットで感じられる "ポエジー" や、オーラで繋がる "たましい" のうごめきや、あるいは、人の視線の深さに、私は、はらはらしていました。"ポエジー" は、芸術全体に通じる、共通言語なのですが。"ポエジー" も "たましい" も、日本じゃ、もう、まるでおもちゃ扱いで、広告っぽいですね。喪、が、ありません。喪、の深さがないのです(──といふ、私は、広告の、くそクリエーターです。ごめんなさい)。
「メメント・モリ(ラテン語 / 死を想え」という言葉があります。写真家の藤原新也さんも、このタイトルで写真集を出してました。

「エレニの旅」では、雨、河、舟、水、ぬかるみ、黒、などのメタファーが、印象的でした。西アジアっぽい音楽には、癒されました(マイナーコードの音は不思議です)。基調であるにび色の画面と、難民たちの白いシーツとのコントラストは、ショッキングでした。
白に、この時代の絶望からの救いを感じました。



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