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2007年01月24日(水) 親のせいにはしたくない(言葉のやり取り編)

30歳の男性です。
厳しい父親に「全ての問題は、お前が原因だ」と育てられたそうです。
大げさですが、異常気象も、地球温暖化も、少子化も...だそうな。

幼稚園で苛めに合った時、相手の家に一緒に出掛け、「お前のいじめは手ぬるい。もっと本格的に苛めてやってくれ。」と言ったそうな。
そして自分の子供には、苛めに対抗できるように『空手』を習わせた。
『空手』は武道であり、武道である以上、「喧嘩で使うな」と指導される。
その昔、人を殺したり倒す為に開発された技である武士道であるから、本気で相手に立ち向かうと相手を怪我させ、殺してしまう可能性すらある。
ボクシングジムに通っている人(プロ限定でしたっけ?)が喧嘩をすると、暴行罪ではなく殺人未遂になるのだそうな。
こぶしを使って戦う練習をしている 人を殴り慣れている『ホンマモン』なのだから、人くらい簡単に殴り殺せるから。

何でやり返さないんだ?
父親の言葉に息子は答える。
「『空手』を喧嘩で使っちゃいけない」
父親は怒鳴る。
「世の中には『正当防衛』ってものがあるんだぞ!」(夏海訳:やられっぱなしでは、空手を習わせた意味がないじゃないか!!)

子供は親に誉められたいと思う。
なのに彼は、
『小さい頃、外で褒められたことを家の中で自慢すると、
 「それは褒められたんじゃなくて馬鹿にされてるんだぞ!」と、父から叱責を受けて育ちました。』
なのだそうな。
彼の思考方向は、『誉められる イコール 馬鹿にされている』
それも反射的に、馬鹿にされていると考えてしまうのだそうな。

で、私はコメントしました。




【夏海】
題:考える前に

『馬鹿にされている』と考える前に、
「ありがとう」と言葉に出してみてください。
その言葉が 自分の耳(脳)に届くように。

申し訳ないけれど、★★★さんの父親は『馬鹿』なんだと思います。
人の中で暮らしていく以上、人を信用(信頼)することを教えないといけない。
これは、親の義務です。
自分が、人を信用してはいけない仕事についていたことは、
自分の子供を 人を信用できない子供に育てても良いという言い訳にはならない。

人を信用できない、人の言葉を信用できないことによって、
・全てのことを 自分一人でやらなくてはいけなくなる。
・全ての責任を 自分一人が負わなければならなくなる。
・全ての問題を 自分一人で解決しないといけなくなる。
・周りに人は沢山いるんだけれど、信じるられる人がいない為、孤独になる。

そりゃー 壊れもしますわな。
人間はロボットじゃないんだから。
人間には、ロボットと違って『感情』ってものがあるんだから。

怒りも悲しみも喜びも 全ての感情は人と共有することによって 増減します。
感情を誰とも共有できないのであれば、地球に一人で住んでいるのと同じ。

少し前に、『パワーハラスメント』という題でブログを書いていたけれど、
家庭内でも『パワーハラスメント』が存在し、
★★★さんは、父親の『パワーハラスメント』の被害者であると私は思います。

思考ルーチンの改善よりも先に、
『パワーハラスメント』によって傷ついた心(トラウマ)を癒すことの方が優先度が高い気がしますが...?




それに対してコメントを返してくれました。
題:消化不良

夏海さんのおっしゃる事にも一理ありますが、
自己の人格形成について親の責任に出来るのは、中高生までと自分は考えています。
成人してからは、自分の意思で道を選ばなければならず(高卒で就職する人は18歳でそうしなければならない)、
30過ぎてからも親のせいにしてしまっては、その後の人生が虚しすぎます。
 #親のせいにしろとはおっしゃっていないとは思うのですが…

自分の場合、19歳で一人暮らしを始め、5年間大学に通いましたが(留年しているので)、
その期間内に『トラウマ』を消化しきれず、大人になりきらない状態で就職してしまったことに問題があります。

また、新人の頃在籍していた部署のチームリーダーが厳しい方で、
「東大とか京大の同期にビビッてんじゃねーぞ!何で同期で一番になろうとしないんだ!」と毎日のように叱責を受けていたのが、
自分がトラウマから逃げられない状況を深刻化させました。

ちなみにその当時のチームリーダーは、自分と同じ大学の卒業生で学部学科も同じなのですが、
『有言実行』を絵に描いたような方で、社内で最年少の部長にもなりました。




一番気になったことは、『人間形成に関して親の責任にできるのは、中高生まで』の言葉でした。
『三つ子の魂百まで』と世間で言うとおり、
私はずっと 言葉の裏を読みつづけ、自分は親から見捨てられた存在だと思って生きて来ました。
人は倒れるまで頑張らないと知ったのは30歳をえらく超えた頃だし、
自分が そんなにも過去に縛られているのかと知ったのは、つい4年前。

今の彼が彼であるのは、明らかに親のせいであって、だから敢えて『親のせいにしろ!』と言いたかったのだけれど、
それを言ってしまったら壊れてしまいそうで、言えませんでした。
なので、こんなメッセージを送りました。




【夏海】親の呪縛

鬱陶しくて、ごめんね。
私の去年からのテーマが、『親の呪縛から逃れる為には』なの。
なので、これだけは伝えたくて。

親の呪縛には 二通りあって、
1.親の言う通りに『せねばならない』
2.親のいう通りに『絶対しないぞ』

『せねばならない』は、★★★さんの『癖』として残っているもので、
そして昨日のお返事にあったように、
『全て自分に問題がある』と思う思考方向と
『全ての問題を自分一人で解決しないといけない』と思う思考方向。

『絶対しないぞ』は、★★★さんの学生時代の一人暮らしの時の思考方向。

反対を向いているようで、どちらも『親のいう通り』が支点になっていて、
何もない状態のところから 思考を発展していってない。

親が言うからする。
親が言うからしてやらない。
どちらにしても『親』の思考が出発点になっていて、
それを『親の呪縛』、『親の支配下にいる』と私は定義しています。

大人であることと 子供であることは 年齢ではなく、
自分の道は自分で選ぶこと は、当たり前だし、
選んだ以上その責任は自分にあることも、
自我が芽生えた時点で大人・子供や年齢など関係なく それは当たり前のことで、
(だたし、子供の場合は見守ってくれる周囲の目があり、
大人になっても道に迷ったら相談したりサポートしたりして貰うのですが)

ただ、大切なのは、
『世間では』ではなく、『★★★さんは』なのであって、
選ぶ基準が、思考方向の根底に流れている呪縛にあるのか、ないのかを、
一度ゆっくり考えてみてはいかがでは?と思うのです。

ずれて積み上げられた積み木は、上へ行くほど不安定になり、いづれは崩れます。
ずれた箇所を見つけ、そのズレをなおして、もう一度積み上げる作業をすること。
この4年間に私がやったことは、この作業でした。




お返事を下さいました。
題:呪縛

父からの呪縛から解放されていたのは、大学時代だけでなく、社会人になって3年間、一人暮らしをしていた時もそうでした。

頭の固い父も、その3年間に関しては息子としてだけでなく「一人の社会人」として、私のことを認めてくれるようになりました。

実家に帰ってきてからも、会社で仕事をしていた頃はその呪縛からは、ある程度開放されていたのも事実です。

しかし、ご指摘の通り、そのような時は大抵『躁状態』であることが多く、鬱になっている時の自分は自責の念に取り付かれていました。全て自分が悪いと…。

現在は、恐らく躁と鬱のどちらでもない状態で、この状態を長期間キープできるかどうかが、社会復帰に向けた一つの課題となっています。




【夏海】言葉が足りなかった ^^;

ごめんね。
言葉が足りなかった です。

テーマは、
『親の呪縛から逃れる為には』は、子供側の心の問題で、
親が呪縛しているのではなく、
子供の意識として、呪縛から逃れる
つまり精神的に独立するためには なの。

親が認めているから、親から呪縛されていない ではなく、
親が認めていようと いまいと、
自分が考えた通りに 考えたように生きること。
それは、親が生きていても死んでも同じで、
普遍的に『呪縛されていない』状態 です。

言葉に表現することは難しいのですが、伝えきれてますでしょうか?

私の父親もそうなのですが、自分が『由(よし)』とするレベルがあって、
それをクリアしていること が、子供や他人を認める条件で、
そのレベルに達していない時には、叱咤する、もしくは馬鹿にする。

父親の望むレベルに達しようとも 達しなくとも
何を言われても 自分は自分であると思えること、
それ以前に、父親の望むレベルなんて、糞食らえだと思えることが大切で、
(ただし、「望むレベルになんてならないぞ」と思うことは、
 すでに その『父親のレベル』に呪縛されていることなので、
 その『レベル』を意識しないでいられることこそが呪縛が解けている状態だと思います)
父親の存在を よく言う『かぼちゃと同じ』程度にしか感じない、
父親の言葉を 小鳥のさえずりくらいにしか意識しない状態が、呪縛が解けた状態だと思うのです。

TVのコメンテーターに向かって、「なぁに言ってんだか」って思うでしょ?
その程度の存在に父親をしてしまうこと。
うなずけることろもあるけれど、ここは間違っているって思い、自分はこう思うってTVを見ながら思うでしょ?
それは、コメンテーターに自分の意識や意思が呪縛されていないからなのね。

父親が与える呪縛から逃れるのではなく、
自分の心の中の父親の影(呪縛)に気づき、それを断ち切ること。
自分の判断基準を父親の言動に置かないこと。

『親の呪縛から逃れる為には』とは、そんな意味で書きました。

でね、「今考えていることは、親の影響を受けていないか?」って絶えず自問自答していることは、
物凄く面倒臭いし遠回りだし、手間のいる作業だったのね。
でも、癖を治すって、結構時間と手間と意識が必要なのよ。
だって、★★★さんは、少なくとも18年かかって植え付けられた『癖』で、
それに気が付かなかったせいで 今がある訳でしょ?

私も30年以上そのこと(自分の思考の癖)に気が付かなかったから、
その癖を治すのに苦労はしたけど、今は かなり楽になったよ。^^




ずっと、「理解しやすい良い例えはないものかなぁ」と考えていたところ、
お昼休みにこんな言葉を思いつきました。

【夏海】適当な言葉

『親の呪縛』に対して説明する、適当な言葉を思いつきました。

親がコントロールする のではなく、
(無意識に)親の意を汲んで、もしくは反発して、
 (子供の頃からの癖や、そういう風にしつけられた などによって)
自分で自分をコントロールすること
です。


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