陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2011年12月07日(水)      休 眠

裏庭の山桜がしきりに葉を落としています。
色づいた葉はとてもきれいで、ハラハラとその葉が
落ちてくるさまは見ていて飽きません。

 夏、大いに茂った葉が光合成で
 木を太く成長させ、多くの花芽
 を拵えたことでしょう。その葉は
 落ちて土を肥やし来年の栄養分
 になります。花芽は休眠し、春
 の風と共にまた開くのでしょう。

今年は早春に地震に遭い、放射能も降り、9月の台風
ではずいぶん枝を折られたことでしょう。 桜にとって
も災難の多い年でした。それでも文句一つ言わずそこ
に立ち続け、来春には花をつけて虫を集め、夏には蝉
に樹液を吸われながらもでんと根を張って鳥たちに枝
を貸すのでしょう。その姿に、母の強さを見る気がしま
す。神仏の信仰は好きではありませんが、大きな木
を見ると人智を越えた畏敬の念を感じます。古くから
大木は神格化されて注連縄などを張られますが、よく
解る気がします。

今年の花見は心の内に澱が一杯で、心の底から喜ぶ
気分にはなれませんでした。来年も百点満点に晴れた
気分とはいかないでしょう。でも、花は咲くでしょうから、
少しずつ心を慰めて日本の復活を願いましょう。

休眠する桜たちに、心から 『おつかれさまでした』 と
声をかけたい気分です。

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