裏庭の山桜がしきりに葉を落としています。 色づいた葉はとてもきれいで、ハラハラとその葉が 落ちてくるさまは見ていて飽きません。
夏、大いに茂った葉が光合成で 木を太く成長させ、多くの花芽 を拵えたことでしょう。その葉は 落ちて土を肥やし来年の栄養分 になります。花芽は休眠し、春 の風と共にまた開くのでしょう。
今年は早春に地震に遭い、放射能も降り、9月の台風 ではずいぶん枝を折られたことでしょう。 桜にとって も災難の多い年でした。それでも文句一つ言わずそこ に立ち続け、来春には花をつけて虫を集め、夏には蝉 に樹液を吸われながらもでんと根を張って鳥たちに枝 を貸すのでしょう。その姿に、母の強さを見る気がしま す。神仏の信仰は好きではありませんが、大きな木 を見ると人智を越えた畏敬の念を感じます。古くから 大木は神格化されて注連縄などを張られますが、よく 解る気がします。
今年の花見は心の内に澱が一杯で、心の底から喜ぶ 気分にはなれませんでした。来年も百点満点に晴れた 気分とはいかないでしょう。でも、花は咲くでしょうから、 少しずつ心を慰めて日本の復活を願いましょう。
休眠する桜たちに、心から 『おつかれさまでした』 と 声をかけたい気分です。
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