陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2011年05月17日(火)      コンバインドサイクル

浜岡原子力発電所の運転停止は明るいニュースでした。
でもこれでホッとしている場合ではありません。全ての
原子力発電所を停止したとしても高レベル放射性廃棄物
は残ってしまいます。この、負の遺産問題は現代社会の
課題として長く付き合わなければならない難題ですが、
まずは安全で環境負荷の低い発電方法の模索でしょう。

原子力に懲りて勢い、対極にあるソフトエネルギーに目
が向きがちですが、太陽光も風力も地熱も効率や発電
量を鑑みるにまだまだ不安定です。では何かもっと実効
性の高い発電方法は無いものかと調べてみると、天然ガス
を使った 『コンバインドサイクル発電』 がとても有力な
ようです。天然ガスと圧縮空気の燃焼でガスタービンを
回し、さらに余熱で蒸気タービンを回すという二段構え。
プラント規模は小さいものの、起動、停止が容易で50%
近い熱効率だという優れものです。昨年3月、横浜では 
 『扇島パワーステーション』 1号機
 が運転を開始しました。最高効率
 58%といいますから、原発の30%の
 倍近い高効率です。勿論、放射性
 廃棄物は出ませんし、天然ガスは
 埋蔵量が豊富であるそうです。

巨大なプラントで得体の知れない配管をし、複雑怪奇な
仕組みでただ蒸気を作って発電をする原子力は、きっと
儲かるのでしょう。しかし、地震大国の日本に向かない
機械であることは全国民が学びました。日本の発電所
はシンプルに且つコンパクトに分散して設置すべきです。
家庭規模でコンバインドサイクルを行うのは無理としても、
エネファームのような家庭用燃料電池も実用化されて
います。両者が普及しつつ新たな発電システムが構築
されれば、原子力はおろか火力水力も要らなくなるので
はないでしょうか?一説には、電力は余っているとの声
も聞こえてきます。

皆で声を上げ、次の選挙できちんとした政治家を選び、
原子力を排していかないことには日本の未来は危うい
でしょう。それでも、六ヶ所村はじめ日本中に核廃棄物
がごまんと残ってしまうのです。   どうしましょう。

コンバインドサイクル発電のしくみ

東京ガス 扇島パワーステーション




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