陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2011年05月05日(木)      仇 討

 米国同時多発テロの首謀者が米軍に
 射殺されたというニュースにはちょっ
 と驚きました。問答無用という感じに
 肝が冷えました。が、すぐに連想した
 のが忠臣蔵です。赤穂浪士の討ち入り
 も、言わば武装集団の奇襲作戦でした。
 天晴れ米軍も仇の首を取り、本国に
 凱旋したことでしょう。

江戸時代の仇討は討ちとった側の名誉でありますが、
現代のそれはテロの連鎖の引き金にはなりますまいか?
許すことのできない凶悪犯罪者だとしても、生きたまま
捉えて裁判をするのがアメリカらしい民主主義ではない
のかなと少々の疑問を感じるのは蚊帳の外から眺めて
いるからでしょうか?多くの米国人は快哉を叫んだと
いうことらしいですが、中には心を痛めた方もいられ
るのではないでしょうか。

平和と一言で言うのは簡単なことですが、その影に色々な
人の思惑や感情が渦巻いていることを思えば寒々しい気が
します。人の心の中にある善意と悪意のどちらが勝るかを
斟酌するに、善意が勝ることを信じたいとは思いますが、
憎しみにかられて鬼に変わる人の心の脆さも解ります。

善悪双色にくっきりと分けることにはどうやら意味は無く、
幸いな偶然を積み重ねるのが人生というものなのでしょう。

ワールドトレーディングセンター跡地の建設予定模型
ニュースサイトから頂いた物なので、小拡大





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