陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2011年02月04日(金)      かがきょう

昨年の12月半ば、気紛れに手にとって読み始めた東野
圭吾さんの作品 『新参者』 が面白かったので、以来
刑事加賀恭一郎のシリーズを読み漁ってきました。探偵
ガリレオと平行読みでしたがガリレオシリーズは短編が
多く、それでなくてもサラサラ読めてしまう現代劇ですか
ら長編のそれもぶ厚い本が嬉しいのですが、加賀恭の
シリーズはそれほど長いものはありません。

 とは言うものの、ミステリー初心
 者の私は犯人探しはいっこう下手
 です。言ってしまえば小説が面白
 ければ誰が犯人でもいいくらいな
 のです。このシリーズにはフーダ
 ニット(Who done it)形式といわれ
る犯人探しの小説が二篇あります。最後まで読んでも
犯人は活字では明かされません。女房は、釈然としない
物語だと批判的でしたが、私はシリーズ中ではこの二篇
をとても面白く読みました。ミステリー通の読者であれ
ば、加賀刑事が犯人を名指ししなくても、きっと犯人を
暴くことでしょう。私は二編ともこいつが犯人であれば
いいのにと思った程度で、まったくそのトリックはわかり
ませんでした。でも、小説自体はきちんとした結末を迎え
て終わりますので、特に不快な読後感は残りません。

その二編とは 『どちらかが彼女を殺した』 と 『私が
彼を殺した』 です。さあ、あなたの灰色の脳細胞を使っ
てこの犯人を捜してみてください。ご希望の方には私の
本をお譲りしますよ。 文庫版中古本ですけどね。

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