昨年の12月半ば、気紛れに手にとって読み始めた東野 圭吾さんの作品 『新参者』 が面白かったので、以来 刑事加賀恭一郎のシリーズを読み漁ってきました。探偵 ガリレオと平行読みでしたがガリレオシリーズは短編が 多く、それでなくてもサラサラ読めてしまう現代劇ですか ら長編のそれもぶ厚い本が嬉しいのですが、加賀恭の シリーズはそれほど長いものはありません。
とは言うものの、ミステリー初心 者の私は犯人探しはいっこう下手 です。言ってしまえば小説が面白 ければ誰が犯人でもいいくらいな のです。このシリーズにはフーダ ニット(Who done it)形式といわれ る犯人探しの小説が二篇あります。最後まで読んでも 犯人は活字では明かされません。女房は、釈然としない 物語だと批判的でしたが、私はシリーズ中ではこの二篇 をとても面白く読みました。ミステリー通の読者であれ ば、加賀刑事が犯人を名指ししなくても、きっと犯人を 暴くことでしょう。私は二編ともこいつが犯人であれば いいのにと思った程度で、まったくそのトリックはわかり ませんでした。でも、小説自体はきちんとした結末を迎え て終わりますので、特に不快な読後感は残りません。
その二編とは 『どちらかが彼女を殺した』 と 『私が 彼を殺した』 です。さあ、あなたの灰色の脳細胞を使っ てこの犯人を捜してみてください。ご希望の方には私の 本をお譲りしますよ。 文庫版中古本ですけどね。
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