陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2010年10月09日(土)      ぶんこう

修行時代に住まわせていただいた茨城県岩間町(現笠間市)
の旧第一分校の改築が終了した旨のお手紙を頂きました。
陶器のことをはじめ、実に沢山のことを学ばせていただ
いた場所ですから感無量でした。

 頂いたパンフレットの写真を見ると
 古い瓦はガルバリウム鋼板の屋根
 に葺き替えられ、全体は黒く塗られ
 利休好みになりました。トイレは
 完全水洗化、中庭もきれいに植栽
 され素晴らしい出来映えです。
 古い建物もとても良い雰囲気でし
 たが、トイレは汲取りでハエの温床
 でしたし、冬は隙間風が通って寒く、
 ガラスも随分割れていてベニヤ貼り
 のところがありました。下水もよく
 詰まって、皆でどぶ掃除をしたこと
も今では良い思い出です。何より、我々が寄宿していた
頃は行政の予算も多くはなく、年度の切り替わるごとに
町議会では企業誘致と解体の議案が出たとも聞きます。
今では笠間市の体験学習館として予算も付き、地域の
拠点として有意義に機能しているようです。

私は町教育委員会から委嘱された 『管理人』という名目
で住まわせていただいていましたが、ろくな管理はでき
ず、校庭の草取りは広すぎて手に負えず、町役場の方
に随分ご迷惑をかけたものです。しかしながら、こういう
施設を長く続けるにはどうすればよいものかと、地域の
有志の方や利用者の方と考えてはイベントの形でずいぶ
ん働きかけも行い、及ばずながら一助になれたのでは
ないかとも思います。分校を卒業して22年、新しくなった
施設は立派で、まぶしくさえ見えます。今の分校を支え
ている皆々様の活動に先輩ヅラをして首を突っ込むのは
憚られることですが、何かの折にそっと覗きに行ってみ
ようかと思います。そして何かのかたちでまた、主体的
に参加させていただければ、この上ない幸甚です。

改築を働きかけ、署名運動をされた実行委員会の皆様、
様様に関わられ、支援された皆々様、おつかれさまでした。

改装工事終了パンフ

22年前の冬の分校




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