昨日のサッカーの試合は実に後味の悪いものになりました。 W杯本戦へ向けて最後の強化試合ということで初戦にあた るカメルーンを想定したコートジボワール代表はまとまりの ある良いチームです。中でもFWのドログバ選手は世界でも 屈指の得点王で、この大会でも注目の一選手でした。 その選手に怪我を負わせてしまったのは、いくらタイミング が悪かったとは言え、良くないプレーだったと思います。
得点に絡む選手は徹底的にマーク され、猛烈なタックルを受けるの はサッカーでは日常的なことです し、そういった過度のディフェンス にも負けない技を身に付けること が所謂フィジカルな強さだというこ とは最早世界の常識です。然しながら昨日のシーンは見て いて度を過ぎていやしないかと首をひねりました。あれでは まるでキックの鬼・沢村忠の 『真空飛び膝蹴り』 です。 当のドログバ選手はプレー続行できずに退場し、タックルを かけた田中マルクス選手も警告を受けましたが、結果的に 骨折という大怪我になってしまったのは、悲しいことでした。 自国チームの選手の心無いプレーに日本人として恥ずかしく コ国のサッカーファンの方々の落胆を思うと心が痛みます。
競技中には思わぬ事故は起きるものです。過去もたくさんの ラフプレーがありました。フランスのジダン選手の頭突き事件 などは記憶に新しいことですし、ストライカーは皆そういった プレーを覚悟しているはずです。然し、やはりファインプレー で良い試合を見せてほしいです。野球であれ、ラグビーであれ、 いっそボクシングのような格闘技でも、怪我はいけません。 勝つために必死になって戦うことは否定しませんが、日本人の サッカーは勝利至上主義ではなく、美しく勝つプレーに向って いただきたい。もしそれがうまくできないのなら、サッカーという 競技は日本人には馴染まないスポーツなのではありますま いか? きれいごとで勝てるような生やさしい世界じゃぁない ことは重々承知の上で、それでも本戦では 『きれいな試合』 を、見たいです。
FIFA フェアプレー旗
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