山桜の蕾を切ってきて挿しました。 二つしかない花ですから、一晩で あっという間に満開です。花器は 自作の白磁猪口、粗い軽石を詰め て支えました。ソメイヨシノも良い ですが、山桜の風情はまた格別です。 若葉の緑と花の白がなんとも楚々と して、つつましさを感じます。
先日、映画 『山桜』 をDVDで観ました。あまり期待をせずに 見たのですが割と良かったです。藤沢さんの原作は短編です が、滋味深い物語です。薄幸の主人公を田中麗奈さんが熱演 し、東山紀之さんが義に厚い下級藩士 『手塚弥一郎』 を渋〜く 好演していました。男の私が見ても格好いいなあと思いました。 映画は短めで、ラストは結末をくっきりとは描かずに桜の花を 写して終わりますが、その余韻が実に日本的で美しかったです。
毎年咲く花ですが、毎年ちがって見える花でもあります。 ちがって見えるのは花のせいではなく、こちらの心映えが 一年の間に変化しているからだとは思いますが、ついつい 花の側が変化しているように見てしまうのはそれこそが 己の未熟さと理屈では解っていても、一向改まりません。
今年も花を眺められて、ありがたいことだと思います。
映画 『山桜』 公式サイト http://www.yamazakura-movie.com/
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