陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2009年03月23日(月)      やまざくら

 山桜の蕾を切ってきて挿しました。
 二つしかない花ですから、一晩で
 あっという間に満開です。花器は
 自作の白磁猪口、粗い軽石を詰め
 て支えました。ソメイヨシノも良い
 ですが、山桜の風情はまた格別です。
 若葉の緑と花の白がなんとも楚々と
 して、つつましさを感じます。

先日、映画 『山桜』 をDVDで観ました。あまり期待をせずに
見たのですが割と良かったです。藤沢さんの原作は短編です
が、滋味深い物語です。薄幸の主人公を田中麗奈さんが熱演
し、東山紀之さんが義に厚い下級藩士 『手塚弥一郎』 を渋〜く
好演していました。男の私が見ても格好いいなあと思いました。
映画は短めで、ラストは結末をくっきりとは描かずに桜の花を
写して終わりますが、その余韻が実に日本的で美しかったです。

毎年咲く花ですが、毎年ちがって見える花でもあります。
ちがって見えるのは花のせいではなく、こちらの心映えが
一年の間に変化しているからだとは思いますが、ついつい
花の側が変化しているように見てしまうのはそれこそが
己の未熟さと理屈では解っていても、一向改まりません。

今年も花を眺められて、ありがたいことだと思います。

映画 『山桜』 公式サイト http://www.yamazakura-movie.com/




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