ギターなどいじるようになって、その昔オカリナを作っていた頃に 使っていたチューナー(調律機)をひっぱりだして又使っています。 何しろ20年近くも前に買った代物ですから骨董品です。捨てなかっ たのが不思議なくらい使い倒して土まみれになっていたものですが 電池を入れてみたら所々LEDがつかないところはあるものの機能と しては充分で、こりゃあ儲けたワイと調律に重宝しています。
この機械はチューナーでは老舗のメーカー KORGが1985年に発売したDT-1という 機種です。当時LEDを使った商品は珍し く、デザインも斬新でカセットテープと 同じサイズというのが実にコンパクトで 格好良く見えたものです。今となっては カセットテープも過去の遺物となり、LEDなどは多色になり、更に 液晶画面が主流となってギターチューナーに関して言えばクリップ式 の歩数計ほどの大きさにまで進化しているのですから、このDT-1など は、すでに旧弊になってしまったと言わざるを得ません。
携帯電話でも、パソコンでも、家電品でも、またたく間に進化して、 ほんの5年も使えばあっという間に古いものになってしまうこの時代の 技術の進歩を喜ばしくまた誇らしく思う反面、これじゃあ物を大事に する心など育む間もありゃぁせんわい、などと悲観も同時に感じます。 じゃあってんでブラウン管の時代に戻れるものでなし、後ろを向いて もいられません。幸い我が家は薪の暮らしと電化の暮らしが混交し ていますので、まずまず均衡がとれているとは思いますが、これか らさらに時代が進めば、どんなことになるのやら、楽しみでもあり、 心配でもあり、といった心境です。ま、そうこうしているうちに 寿命がきて、おさらばってなことになるのでしょう。案ずるより なんとやら、ですかな。
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