ファミコンの高橋名人のことではありません。 手打ち蕎麦の高橋邦弘さんのことです。行ってきました、大和屋 主催の 『そばの会』 高橋邦弘氏の打つ新そばを頂いてきました。 お料理は前菜と焼き物のお重、椀物(京都で言うたいたん)揚物、 そしてお蕎麦、最後にお菓子(蕎麦饅頭)というシンプル懐石。 今日は陽気が温かだったので冷やをいただきながら楽しみました。 相席の方が常連の方で、色々と教えていただき、初会のお店でも 固くならずに済みました。
高橋さんのそば打ちを生で見せていただ きましたが流石に職人、早い!流れるよう に手順が進み、みるみるうちにのし、たたみ、 切り、あれよという間にそばが出来上がり、 舟に納めるその手つきなどはまるで蕎麦が 手に吸い付いているようでした。長年に渡 る仕事のせいかだいぶ腰が曲がっていらっしゃいましたが、その 身ごなしの柔らかさは、それこそ仕事の長さが物語るものでしょう。
食事のあとに本とDVDを買い、お願いをして、買った本ではなく以前に 購った初版の本に署名をいただきました。あわよくばと思い持っていっ たのですが念願叶ってサイン本となり、嬉しくて鼻血が出そうです。 では肝心のお蕎麦のお味はどうだったのか?そりゃあもちろん美味し かったです。高橋さんのお蕎麦はそれほどの細打ちではないものの 切り幅の揃った四角いお蕎麦で、自家製粉に力を注いでいるだけに、 その粉の選良さは 『朗らか』 という言葉かぴったりです。寄り添う つゆは強く主張せず、蕎麦を引き立て、食後の蕎麦湯も雑味一つない ものでした。水にも妥協していない姿勢がきちんと表れていました。 お客さんに向けたご挨拶の中で、お蕎麦は色々なものがありますが、 私は私が美味しいと思うお蕎麦を追求してこの形になりました。どれ が一番ということはないと思うが私の蕎麦を気に入っていただけたら 嬉しいです。と、謙虚に仰っていらしたのが印象的でした。職人たる 者、どれほど名人などと持ち上げられても、かくありたいものです。
私など、ちょっと美味いなどと言っていただくと有頂天になり、 「ほんとに、こんな美味い蕎麦ぁ誰が打ったんでしょうねぇ」なんて 平気でのたまう有様ですが、高橋さんに倣って謙虚にあらねばと 思います。今月の芋乃市場は 『くいもの市場』 です。残念ながら、 私が使っている信州産の蕎麦はまだ新蕎麦になりません。しかし、 学んだことをしっかりと反映させて、良い蕎麦を目指します。 謙虚に、謙虚に・・・
達磨 高橋さんのサイト http://9638.net/daruma/
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