あちらこちらから『筍』を頂戴します。 時節柄、旬のタケノコはありがたく、美味い美味いと喜んで頂いています。 奇特な方はアク抜きをして、尚且つ水煮した上でご持参くださり、手間を 省いて美味いものを口にできる喜びにうちふるえつつ、毎日食べています。
個人的には、『たきもの』が好きです。椎茸や海草などとあわせた炊き物 は、見目にも美しく、筍の白い色と合わせる野菜や海草の彩りに、季節の 麗しさがあふれています。次に、やはり『天ぷら』が好ましいと思います。 旬の筍に薄く下味をつけて、薄い衣でサッと揚げた天ぷらは格別です。
ご飯に炊き込んでも、味噌汁に刻みいれても、その風味と歯ごたえは曰く 快感であり、あの硬い孟宗竹から如何にしてこのような滋味あふれる新芽 が出るものかと、不思議に思うほどです。
今日の夕餉は刻んだ筍を春巻の具にして頂きます。 中華の料理でもタケノコは重宝に使われています が、炒め物の具に刻んだものが入っている美味さ はまた喜ばしいもので、中国の文化の深さに感動 します。かの国には笹・竹を喰らう熊がいることか らも竹を食材として利用する知恵が発達しているで あろうことは想像に難くありません。『シナチク』などはその良い例でしょう。
旬の食材を摂ることは『医食同源』の基本であり、『薬食い』の定理であると 考えます。食うことは視点を変えれば『殺戮』ではありますが、生物が生きる のは生き物に定められた命題ですし、食うための殺生は正当といえましょう。 今し土から伸びようとする『竹』の『子』を喰らうことは酷いこととは思います が、隅々まできちんと頂いて供養ということにさせていただきましょう。
|