陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2006年01月17日(火)      慶喜公

前々から徳川15代将軍『徳川慶喜』公のことは気になっていましたが、幕末
嫌いであることからなかなか手を出さずにいました。が・・・やはり江戸を考え
る上でここを避けてはいけないと思い、司馬遼太郎さんの『最後の将軍』や
杉本苑子さんの『最後の将軍 慶喜』などを読んで学習しています。
非常に聡明で思慮深く、そして能筆であったと言うことですが、その評判は
明暗が分かれています。

 「豚一どの」「ひと癖あるお方」「すぐ得意になる人」
 などいかにも屈折した仇名がついていて面白そうな人
 です。出自、立場、時代、様様な運不運が重なって否
 応無く最後の将軍という仕事を全うし、大政奉還を成
 し遂げ、七十七の天寿を全うした言わば江戸最後の
 『傾き者』と、できうることならば一献かわしてみたい
ものです。酒癖はあまりよろしくなかったようでその様を称して「ねじあげの
酒飲み」と言う仇名もあったそうです。画像はその様子を黒鉄ヒロシさんが
『慶喜の自転車』という短編で風刺したもので、いかにも面憎い感じの
慶喜公が口をへの字にして酔っているさまが痛快です。

数年前、NHKの大河ドラマで本木雅弘さんが演じましたが、ビデオすら
出ていません・・・無理のあるドラマであったことは否めませんが、総集編
だけでも見てみたいなぁと思います。大政奉還から140年弱、あらためて
江戸の終焉を学習して、自分の心の中にどのようなものが芽生えるのか
われながら楽しみです。

   <明治元年に慶喜公の詠んだ歌>

とにかくに国の為とて しのぶ身は ゆくもかえるも 時をこそまて



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