前々から徳川15代将軍『徳川慶喜』公のことは気になっていましたが、幕末 嫌いであることからなかなか手を出さずにいました。が・・・やはり江戸を考え る上でここを避けてはいけないと思い、司馬遼太郎さんの『最後の将軍』や 杉本苑子さんの『最後の将軍 慶喜』などを読んで学習しています。 非常に聡明で思慮深く、そして能筆であったと言うことですが、その評判は 明暗が分かれています。
「豚一どの」「ひと癖あるお方」「すぐ得意になる人」 などいかにも屈折した仇名がついていて面白そうな人 です。出自、立場、時代、様様な運不運が重なって否 応無く最後の将軍という仕事を全うし、大政奉還を成 し遂げ、七十七の天寿を全うした言わば江戸最後の 『傾き者』と、できうることならば一献かわしてみたい ものです。酒癖はあまりよろしくなかったようでその様を称して「ねじあげの 酒飲み」と言う仇名もあったそうです。画像はその様子を黒鉄ヒロシさんが 『慶喜の自転車』という短編で風刺したもので、いかにも面憎い感じの 慶喜公が口をへの字にして酔っているさまが痛快です。
数年前、NHKの大河ドラマで本木雅弘さんが演じましたが、ビデオすら 出ていません・・・無理のあるドラマであったことは否めませんが、総集編 だけでも見てみたいなぁと思います。大政奉還から140年弱、あらためて 江戸の終焉を学習して、自分の心の中にどのようなものが芽生えるのか われながら楽しみです。
<明治元年に慶喜公の詠んだ歌>
とにかくに国の為とて しのぶ身は ゆくもかえるも 時をこそまて
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