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こうして欲しいのだろう、こうしてあげたら喜ぶのだろう、と気づいていることの10分の1も実行していないが、それでも次第に私の存在がまた家のなかで重要性を増し始めている。そうならないように、10分の1以下のことしかしないできたのに、祖母の主治医とのやり取りは私にしかできず、母は私がいることで安心すると口にする、父はもう長いこと、私としか口をきかない。こうして欲しいのだろう、こうしてあげたら喜ぶのだろう、と気づいていることの正反対のことをする勇気がもてればよいのだけれど、さすがにそこまではできないでいる。それならもういっそ、気づいていることのすべてを実行し、輪の中央へ飛び込んで、完全に囲い込まれてしまったほうがましではないのか。少なくとも私以外の3人に幸せに似た感情を与えることくらいはできるだろう。その輪の中央で、次第に老いていく3人を見送ることが私の人生に課せられた義務だ、私の人生の唯一の意味だ、と納得してしまうことがどうしてできない?
三代続いた一人っ子長女の三代目なんてそんなもんよ、と頭では分かっていても、溜息が止まらない。
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