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| 2008年05月31日(土) |
singing to the birds |
「おまえらしくない」という最も簡単で最も巧妙な呪術。たとえばカミカゼをあおるように飲むおまえはおまえらしいがカルアミルクを一杯だけ、なんていうのはまったくもっておまえらしくない、といったような。おまえだってときには甘い酒を飲みたいときもあるだろうに、そこに私の目があったならおまえは確実にカミカゼを注文するということだ。その逆もまた然り、私はおまえの前で生つぶしイチゴチュウハイなんかを飲むわけにはいかない、カルヴァドスをロックで、くらい言わないことには「私らしくない」のだから。
このくだらなさが「らしさ」の正体であることに気づいたところで、呪術は解けない。ともすれば「らしさ」を守るためになら自分を殺しかねないのがおまえであり私だ。くだらなさの海で溺死することはいかにも「おまえらしい」ことでありまた「私らしい」ことでありうる。おまえも私も「殉ずる」という言葉が大好きなはずだ。
こうして首を絞め合って、いったい何年経ったんだろう。
そろそろやめるか。
それもまた、くだらないけど、ねぇ?
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