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睡眠不足だと嘆きながらでも自然の眠りを5時間なり6時間なり得られる人には単なる怠惰な悩みとうつるのであろう。昼間思い切り太陽の光を浴びて身体を動かせば。パソコンに向かっている時間があるなら横になって目を閉じてみれば。あなたには本当の疲れが欠けているんでしょう。眠れない自分、に酔っているのでは。どれもこれも、真実の一片を含んではいるが完全に真実であるとはいえない。 メンタルヘルスに問題のある人間は「そうよね」「そうでしょ」と言い合える仲間を求めているように見えて実は「あんたになんかわかるわけがない」という根深い拒絶を腹の底で飼っているので下手に「そうよね」「そうでしょ」と言ってしまうと「私のほうが苦しいに決まっているのだから」という他者からみればどうでも良いような競争に勝つために「目に見える証拠」を求めて自傷の或いは薬物の泥沼にはまりこんでいく傾向にある、というのは身をもって学んだ。 はぁ?バカじゃないの?と思う人はメンタルヘルスに問題のない人であるのでよろこばしいことである。「私の問題」「私の抱え込んだ問題」「私の陥った状況」こそが世界で一番つらいものでなければならない、という強迫観念にも似た思いがメンタルヘルスに問題のある人間の中心にはあり、たとえば「そうよね」「そうでしょ」と言う「仲間」の告白に耳を傾けつつも「ふん、その程度か」と、「ふん、そんな猫に引っかかれた程度か」と、己の傷口を眺めながらますます己を追い詰めていく、というのがメンタルヘルスに問題のある人間の抱える「問題」である、と今の私は思う。 あなたの問題は世界で最大のものでもなければ最小のものでもない。あなたは世界でいちばんかわいそうでもなければ世界でいちばん恵まれてもいない。 などとえらそうなことを書く資格は私などにはもちろんないのだが、時折過去を振り返ると5年前の自分にそう言ってやりたくなる。結局、自分のことしか見えていなかった。 そして今の私は12時間も眠ってしまっては困るのでレキソタンを半分に割るかロヒプノールを1ミリにしてレキソタンを5ミリそのまま飲むかそれともまた隠し玉のセパゾンでも出してくるか、などと考えている。そのへんは昔も今もたいして変わらないのだけれど、それでも、「あなたは恵まれてるよ」といわれたとして「んなわけねーだろバカヤロウ」と言下に否定するのではなく「そうだよね」と答える余裕くらいは、あると思う。 |