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ドクターゴーシュの待合室で2時間半、いつものカフェへ行っても良かったが風があまりに強すぎて、不自然に明るい照明と不気味な沈黙に満ちた空気にさらされながら金井美恵子の『文章教室』を読み続ける。暗黒ガーリッシュから倦怠期夫婦の毒に満ちた嘆きの渦へ、えらい飛躍だが何事もバランスが、そう、バランスだけが大切である。 近頃眠れない夜が続く。レキソタンが増える。昔、朝昼晩と飲んでいましたと告げるとドクターゴーシュは笑いながら首を横に振る。 近場の「無農薬野菜をふんだんに使ったサラダ」が売りのカフェに行ってみる。店主は愛想がよくテーブルを占拠した近所のおばさまたちは子どもの話や携帯の操作の話で盛り上がっている。棚には聖教新聞とそれに付随する機関紙が。 強い北風が時折入り口のガラス戸を揺らす。 これから寒い季節に向かうのに何を気弱になっているのだ、少しでも気を緩めたら、すぐにつけこまれるんだから、風邪とか、人恋しさとか、そういった厄介なものに。 はねつけて、すっと立つ、くらいの、気概と、誇りを。 |