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2006年08月31日(木)   蒼ざめたる馬の背に

「子供の頃、わたしは太陽を凝視したことがある。太陽はわたしの目をくらまし、光の輝きでわたしを灼いた。子供の頃、わたしは愛を、母親の愛撫を知っていた。わたしはむじゃきに人びとを愛し、喜びにみちて生活を愛していた。いま、私は誰をも愛していない。愛したいとも思わないし、また愛することもできない。世界は呪うべきものとなり、いちどきに、わたしにとって荒涼たる砂漠と化した。すべては虚偽であり、すべては空の空である。」(『蒼ざめた馬』/ロープシン p.211)

それは私が見た最後の光かもしれなかった。追いすがり、膝をついて乞うた最後の愛かもしれなかった。

貴方はいない
貴方などはじめからどこにもいない

蒼ざめたる馬の背に跨り
死の影を抱く
私自身が再び
死に似た者となるために

希望もなく
怖れもなく

愛もなく

虚無へと
虚空へと

夜を駆り闇を駆って

貴方はいない
貴方などはじめからどこにもいない
貴方などいてもいなくてもかまわない

すべては虚偽であり、すべては空の空である。

「・・・視よ、蒼ざめた馬あり、これに乗る者の名を死といい、黄泉これにしたがう・・・」(『ヨハネ黙示録』6章8節)


nadja. |mailblog