| 2009年06月18日(木) |
だから僕は―― 弁慶 |
この色素の薄い髪と、白い肌、琥珀色の瞳のせいで 幼い頃から鬼子と呼ばれ、忌み嫌われてきました。 母親にも捨てられ、預けられた寺でも、誰にも愛されることはなかった。
…寂しいという感情はとうの昔に消えてしまいました。
九郎はそんな僕に、最初に友情をくれました。 次に信頼を。 そしていつの間にか、愛情を僕に向けてくれました。 深い深い愛情。
僕の虚ろが満たされる。 ……九郎で全部みたされる。
だから僕は――。 九郎の為に命を散らすのも厭いません。
九郎を亡くすくらいなら、僕が命をなくしましょう。
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