月に舞う桜
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以前も書いたかもしれないが、福祉職の人間は、他人の機微な情報を平気で聞いてくる。 その情報が支援業務において本当に必要なのであれば、こちらも快く答えるが、その情報は本当に必要なのか、なぜ必要なのか尋ねても、明確な答えは返ってこない。
移乗用リフトのスリングシートを買い替えるため、関係機関が状況を見に来た。 一通り話をしたところで、最後に、ある機関の人が他の人たちもいる前で私の体重を聞いてきた。 「それ、いつも聞かれるんですけど、その情報って必要なんですか?」と尋ねると、「カルテに書かないといけないんです」と。
はあ?
カルテに書かないといけない、は全く答えになっていない。なぜカルテに書かないといけないのか、つまり、支援機関としてなぜ私の体重を知らなければならないのかを答えたことにはならない。 こちらがなおも突っ込むと、「桜井さんのお体の状態を知っておく必要があります」と言っていたが、その機関は支援対象者の健康管理をするところではなく福祉用具の相談や情報提供をする機関だ。 スリングシートの耐荷重を気にしているなら、耐荷重以下であることが分かればよく、体重を具体的に尋ねる必要はないはずだ。 私が「耐荷重は問題ないですよ」と言うと引き下がったが、結局、なぜ私の体重という情報が必要なのか明確な答えは得られなかった。
例えば、以前病院でMRIを撮るとき、「造影剤の量を決めるので体重を教えてください」と言われたことがある。こちらが理由を尋ねなくても、最初から理由込みで質問されたのだ。だから、こちらも納得して答えることができた。 こちらの機微な情報を必要があって聞くとき、それが普通ではないだろうか。
体重を教えたくないのではない。 真に必要とは思えない利用者(被支援者)の機微な情報を、訊ねる理由を明確にしないで、さも当然のように平気な顔で聞いてくるから腹立つ。
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