月に舞う桜

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2017年08月06日(日) 【8/5】Toshl DINE & CONCERT 2017〜コンサート編��

食事と小瀧くんの生演奏が終わってしばらく待つと、客席の照明が控えめになり、バンドメンバーとToshlが登場した。
バンド編成は、ドラム、ベース、ピアノ、そしてサックスの4人。サックスの人はフルートを兼任していた。
Toshlは乾杯のときのギンギラジャケットではなく、薄っすらピンクがかかった白いジャケットに着替えていた。

セットリスト↓

New York State of Mind
Crucify My Love
Misty Love
Imagine
Voiceless Screaming
Autumn Leaves
Rusty Nail
時の海へ
Rain and Tears
Crystal Memories
Beautiful Harmony
My Way〜Toshloveとともに


Toshlは、スツールに腰かけて歌った。
1曲目のNew York State of Mindは、2015年のディナーショーで聴いて「いつかToshlがジャズコンサートをやってくれたらいいな!」と思うようになったきっかけの曲だ。
2015年もかなりしびれたけど、今回はそれよりはるかに迫力と抑揚の深みがあった。声の出方が半端ない。たぶん、音響設備も良いんだろうけれど。
バンドのライブだと、ドラムやベースの音が足元からドン! と来て、ギターの音が真正面からガン! と来るけど、何だか今日はToshlの声だけでいろんな方向からガン! と来る感じ。それでいて、もちろん決してうるさいわけではなく、やさしく心を包まれるような。
こりゃ、1曲目から飛ばしてるな! と度肝を抜かれつつ、どっぷり浸かる。

2曲目のCrucify My Loveは、7月のX JAPANのライブで聴いたのとはまた違う歌い方だった。
X JAPANのライブで歌われるのは、YOSHIKI仕様のCrucify My Loveなのだろう(つまり、YOSHIKIが求める歌い方)。そこでは、歌は、ピアノの音やメロディーや歌詞といったほかの要素と同等の、曲を構成する一要素であり、そこに込められている感情は一貫したものであるように聴こえる。
けれど、今回のCrucify My Loveは、おそらくToshlが歌いたい、表現したいCrucify My Loveなのだろう。感情の起伏や強弱がかなりはっきり表されていて、「誰かに想いを伝えたい」という情熱が溢れていた。YOSHIKI仕様のCrucify My Loveでは顔を出さない様々な感情がほとばしっていた。歌にすべてが込められていて、曲を構成する他の要素はまるで単に歌を彩るものでしかないような、それほど圧倒的な歌い方だった。
良いものを聴いた。Toshlは、数年前に比べて本当に表現が豊かになったと思う。

2曲終わったところで、お喋り。

Toshl「とうとう最終公演になりました。ここまで来ると、何か寂しい。Toshl meets JAZZということで、ジャズはフィーリングで、自由に、想いのままに、音楽を描いていくものです。今日は僕の中にあるみなさんへの愛をお届けしたいと思います。みなさんをジャズの大人の世界にいざないます。みんな、まだまだ子供だから。僕の胸に飛び込んでおいで。もう、こうやって頑張って受け止めるから」

片方の足を前に出して踏ん張り、両手を広げ、笑いながらそう言うToshlくん。
きゃー、なんなの、それ! そんなこと言われたら、胸に飛び込むっつーの!

「次は、僕の初期のソロで、ジャズアレンジにぴったりな曲」という紹介があり、Misty Loveが始まった。

これはもう本当に、歌はもちろん、ピアノもサックスもベースもドラムもムードたっぷりで素敵だった。特にサックスは、その音色に身をゆだねているとまさに「大人の世界にいざなわれてる」っていう感じで、「あー、やっぱりジャズの回にしてよかったな」と心の中で頷いた。
スツールに腰かけ、体をゆったり揺らしたり、マイクを持っていない方の手をときどき動かしたりしながら歌うToshlの姿は、大人の魅力に溢れていてうっとり(そりゃあ、もうすぐ52のオッサンなんだから、大人だわな)。

次のImagineは、これまた感情豊かな歌い方だった。本家ジョン・レノンはそんなに抑揚を付けない歌い方をする印象だけど、Toshlはいつも、メリハリをつけてこの曲を歌う。抑えるところと、ぐわーっと盛り上げて歌うところの差が激しい。
Toshlがいつも感情を放出させるのは、”But I’m not the only one. I hope someday you’ll join us”の部分だ。

≪でも、僕はひとりじゃない。いつか、あなたも僕たちの仲間になってくれるといいな≫

想いを込めて、願いを込めて、どこまでも伸びるありったけの声で歌う。
ここを、なぜあんなに感情を凝縮して歌うのか、そのアレンジが好きなだけなのか、ただの歌い方のテクニックなのか、それとも何か意味があるのか、私には分からない。でも、Toshlの歌い方のおかげで、この歌詞が深く心に刻まれている。
そして、いつも思う。そうだね、貴方はひとりじゃないよ。私たちは、貴方とともにいる。
最後の ”And the world will live as one” は一転、静かにやさしく歌う。
それまでぎゅっと掴まれていた心がふわっと解き放たれて、軽やかになる。緊張と弛緩。

(コンサート編�△愨海�)


桜井弓月 |Twitter|Facebook


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