月に舞う桜

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2006年12月15日(金) 夢の続き

朝、通勤中に見上げた空は灰色混じりの白で、曇っているのに高く感じた。白い空と、落ち葉が敷き詰められた歩道。何だか夢の続きにいるみたいだと思った。
夢の続きから抜け出せない頭で、ふと、昔私が人を傷つけたことや傷つけたかもしれないことを思い出した。ときどき、何の前触れもなく後悔は顔を出す。そんな私を救うのは、私が傷つけたかもしれないにも拘らず、相変わらず私を愛してくれる人たち。今の私が必要以上に痛まないのも、彼女たちのおかげ。

時間は確実に経過するのだ、と思った。1年前の自分が、遠い昔のことのようだ。1年前に比べて、私の体は驚くほど軽くなった。実際の体重ではなく、感じ方の点で。あるいは、生きることへの抵抗感という点で。
生きていて良かった、とか、そんな大げさな感じじゃなく、「あぁ、時間ってこうやってきちんと過ぎていくんだな」と腑に落ちる感じ。会社について仕事を始めれば、たぶんすぐ忘れてしまうくらいの軽い再認識。でも、私にとってはとても重要な。

夢の景色は、いつもどこかかなしい。でも、夢の続きにいるみたいな白い空は、ちっともかなしくなかった。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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