月に舞う桜

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2006年07月29日(土) 全身全霊で

26日付の日記に書いた「桜井の電動車椅子、相次ぐ不具合」事件のその後であるが、紺ちゃん故障に伴って急遽引っ張り出してきた黒ちゃん1号は、26日の夕方に業者さんが来て、外れたタイヤを交換してくれたので何とか使えるようになった。紺ちゃんが退院するまでは黒ちゃん1号でしのぐことにする。黒ちゃん1号のバッテリーは耐久時間が短いので、ヒヤヒヤものではあるが。加えて、黒ちゃん1号は紺ちゃんに比べてスピードが出ないので、通勤中はちょっとイライラする。と言っても、時速4km出るから人間の歩くスピードと同じなのだけどね。つくづく自分って我侭&贅沢だなぁと思う。でも、最高時速6kmに慣れてしまうと時速4kmが結構遅く感じるものなのだ。

朝日新聞29日付の天声人語に載っていた松本サリン事件被害者の河野義行さんの言葉に衝撃を受ける。自分と家族が被害に遭い、さらには自分が容疑者にまでされて、それでも尚あんなことを言えるなんて、ただただ頭が下がる。どうしたら、ああいう人になれるのだろうか。偽善的な理想論ではなく苦しんで苦しんで苦しみ抜いた末に辿り着いた心境だから、こちらの心を揺さぶるのだろう。そういう人の言葉にこそ、真実があるのだと思う。
家の前ではセミが鳴き始めた。うるさい。が、地上に出たあとは束の間の命であることを思うと、「頑張って鳴け鳴け」と激励したくもなる。
夏。みな生きて生きて、ただひたすら生きている。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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