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もし、ね?


眼、耳、口。
どれも一度、さらになって。
でもって、ひとつだけ。
どれかひとつだけを選べるとしたら……。


アタシ。
幼い頃からひとり遊び。
も、バリバリの妄想癖、あり。
甲状腺の腫瘍が大きくなると、声帯にも影響があるって。
先生から言われてたとき。
ふっ、と。
そんなことを妄想していた(先生ごめんなさい)。
で、アタシだったら。
どれかひとつを選ぶのなら、眼。
景色が見えれば、風の声は聴こえるし、言葉にしなくとも。
胸の内でひそやかに、ささやくこと、できる。
なんとはなしに。
おさるに。
あんただったらどれをとる? って聞いてみたら。
おさるは耳をとるんだって。
耳が聞こえれば、目の前にあるものを想像することはできるし、点字を覚えれば会話だってできるから、なんだって。
でもさ。
点字って、相手もその点字を知っていなくっちゃダメだよね?
少し意地悪く聞いてみた。
でもそれでもいいんだって。
会話をしたいと思ってくれる相手なら、点字を覚えようとしてくれるから、らしい。
ふ〜ん。
なんだか、そんなふうに、チビすけだったおさる、も。
誰かに言われたからではなく、自分のこころでちゃんと意志を持つほど大人になってんだなって、ツーンと嬉しくなった。


アタシは、眼。
聞こえなくても話せなくても。
聴こえるし、言葉を紡ぐこと、できるから。
よくばりは言わないから。
眼、だけは。
アタシから奪わないで欲しいな。
もしも、のはなしなんだけれど、ね。

2011年11月13日(日)




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