* たいよう暦*
日記目次|過去日記|未来日記
牡蠣が好きです。とっても。 生牡蠣と牡蠣フライが、とくに好き。
なぜ好きか。
味が好き。 さくっ、ふわっ、とろっの三拍子が好き。 濃密なまったり感が好き。 ・・・・・・あげればキリがないけれど、 ほんとは理由なんて、どうでもいい! とにかく、好きなのです。
今はもうない「よく行った場所」で、おいしい牡蠣をたくさん 食べさせてもらいました。 一度などは、牡蠣好きの友人の結婚祝いと称して、 牡蠣づくしのコース料理を作ってもらったこともあります。 食べても食べても飽きがこず、くさみも残らず、甘くてまったりとして、 ほんとうにおいしかった。 でも、その場所がなくなってから、おいしい牡蠣に出会うことも なくなった。
「牡蠣フライ、おいしいよ」 そう言って友人に連れていってもらった洋食屋さん。 確か、一昨年の冬。
「・・・・・!」 びっくりした。 今まで食べた牡蠣フライの中で、飛び抜け一番おいしかった。 「おいし〜〜〜っ!」 顔をあげると、 「おいしいでしょう?」という満ち足りた顔で、 マスターが厨房の中からにこにここちらを見ていた。
「私、もう、ここ以外で牡蠣フライ食べません!」
きっぱり言い切ったあの時から、 本場広島に牡蠣を食べに行った時につまんだ 牡蠣フライふたつ以外は、よそのお店で食べていません。 はい、ほんとうに、食べていません。 あんなに好きだったし、よく食べていた牡蠣フライ。 食べたくなったら、迷わず「おいしい洋食屋さん」まで 足を運びます。
「ほんと、冬じゅう牡蠣フライだねえ」 笑われながら、このシーズンも、たくさんたくさんおいしい 牡蠣フライを食べました。 冬の味覚の王、牡蠣。 3月でおさらばです。 今日は、今シーズン最後の牡蠣フライの日だと聞いてたまらなくなり、 土曜日に「食べおさめ」をしていたはずなのに、 気づいたらカウンターで一人、注文していました。
やっぱりおいしいなあ。
しみじみと眺めながら、味わいながら食べた最後の牡蠣フライ。 最後の一口がなかなか食べられなかった。 ・・・・いやいや、いやしんぼなわけではないんです。 ただ、こんなおいしいものが、あと7ヶ月も食べられないのかと 思うと、なんだか、ねえ。なんとなく、ねえ。
10月に入って、秋の便りが届く頃。 また、牡蠣フライのシーズンがやってきます。 その時まで、おさらばです。 おいしい味を、ありがとう。 また、来シーズンにね。
|