「僕らの若いときにはね、クイーンは神様みたいだったんですよ」取引先の人が、遠い目をして言った。その瞬間、’肩書きのある人’から、たんなる’おじさん’に替わった。仕事上ではなかなか見ることはない、素の顔。いい顔だなあ。と思った。すごく楽しそうに、うちの上司と一緒に、どの歌が好きかと盛り上がっていた。うちの上司も、いい顔をしていた。「偉い人」が、ちょっとかわいらしい「おじさん」に見えた。営業用の顔じゃない素の顔は、いいね。