* たいよう暦*
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夜中までずっとトイレと仲良しの一夜をすごした後、げっそりしたまま「かどっこのお医者さん」まで行きました。 小学生の頃から、ずっと通っている内科です。
「どうしましたかぁ〜」 低音の、響く声のその調子は、小学生の頃から少しも変わりません。 「ふむ。典型的な今年のはやりの風邪だね。」 そうそう、この先生は標準語で話すんだよなあ。 白髪が前にきた時より増えはったよなあ。 ちょっと痩せて小さくならはった。 「じゃあ、お薬だしときますから。あっという間に治りますよ。今はすごく苦しくても」 ほんとうかなあ。 お水も飲めないのに。 こんなに苦しいのに。 「ありがとうございました」 部屋を出てから薬をもらって家に帰る。
一年に一度行くか行かないかのこの場所。 でも行く時には必ず、子供の頃の思い出と重なるもの、重ならないものを無意識に探している。
今回は、スリッパ入れ。 自動殺菌のものにかわっていた。 でも、靴箱や床や受付箱は一緒のまま。 かわらないものが、うれしい。 かわっているものも、うれしい。 なんだかすっかり子供に戻ったみたいに、すごくたよりない気分のまま扉をあけて家に向かいました。
この不思議なかんじ。 体の不調の不安感と、たくさんの思い出の不安感がないまぜになって、あっという間に子供の頃に戻っちゃうのだろうな。 一番、不思議な空間を味わえる場所かもしれない。
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