あなたの鍵をこの胸に。

2005年05月08日(日) どんなに想っても。

まさとが彼女さんの話をする瞬間が一番胸が痛い。
その話を聞く私はどんな顔をしているんだろう。
みんなまさとの近況を楽しそうに聞いていて、
だから私も一生懸命平気な振りをしてしまうよ。
でも、ほんとはいてもたってもいられなくて思わず席を立ってしまった。
誰にも気づかれないようにそっと、逃げるように。
辛いとき、トイレへ逃げる癖は高校の時から変わらない。
目を瞑り、ため息のような深呼吸をする。
全部が嘘だったらいいのになって思う。
けど同時に現実を突きつけられたような気がして、
先はなく、暗いということを知る。
まさとに会うときは必ずつけることにしてたネックレスも、
Tシャツの中に隠してしまう弱いわたしがそこにいた。

『あこは好きな人できた?』
ふとけいちゃんからの質問に、顔を斜めにしてしまった。
うんと縦にふるほど勇気もなく、首を横に振るほど自分に嘘をつきたくなかった。
『あたし、ほんと不器用なんだ。』
けいちゃんに顔を向けて、でもまさとにも聞いてほしくてそんな話をした。
好きな人ができても、素直になれないって。
笑顔が作れなくなっちゃって、どうしていいかわからなくなる。
目も合わせられなくなっちゃうくらいだって。
全部全部、それがまさとへの今の状況なんだよ。

まさとと仲良くなればなるほど、あぁこの恋は難しいなって痛感するよ。
まさとがわたしに振り向いてくれる可能性なんて
ほとんどないんだなって確信するばかり。
それでも好きなんだ。
どんなに想っても、想いは届かないのにね。


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あこ [MAIL]

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