まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2008年06月09日(月) 「奇蹟は自分で起こす」からの話…
「戦場でも持っていた」

昨日からの続きです。
今日も、シスター鈴木秀子さんの書かれた本、
「奇蹟は自分で起こす」
からの紹介です。







《ここから引用》
(強調はこちらでしました)


先生はそれから長い間、
その事は忘れていました。
学校が変わって他所に行き、
20年近くが経ちました。


あるとき、先生は、自分の故郷の町に帰ってきました。
めずらしく先生の両親が空港に迎えにきてくれました。
先生は、今日は何か様子がおかしいと思いました。
すると、お母さんに促されて、お父さんが、


「実は、お前の教えの子のマークが
 戦死して、明日はお葬式だ。
 ちょうどいいときに帰ってきた」



と言ったのです。
それは、ベトナム戦争のときでした。
先生はマークの葬式に参加しました。

教え子たちも皆集まってきていて、
先生を懐かしく迎えてくれました。
そして、翌日、マークの両親の家に
集まろうということになりました。



次の日、先生はマークの友だちが来る前に、
一足先にご両親にお会いしようと出かけました。
マークの両親は、先生が遠くから来てくださったことに
感謝しうれしく思いました。

マークが戦死したときに身につけていた洋服の中に、
たった一つだけ残っていたものがありました。

それはお財布でした。
その革の財布にはお金は入っていませんでしたが、
中に1枚の紙が入っていました。


「これは先生の筆跡です」


と言って、お父さんとお母さんは
その紙を差し出しました。



それは中学生のときに、
みんなが良いところを
一つずつ書いたあの紙でした。

「マーク」と書いて、
そこに40人の子どもたちが
見つけてくれたマークの良さが
40個も書いてあったのです。




マークはそれを戦死するまで、
それも、あの激しい戦争の最中にも
肌身はなさず、
持ち歩いていたのです。



あのとき、生徒たちに配っても、
誰も何も言わなかったのに、マークは
こうして生涯持ち続けていてくれたのでした。



しばらくしてマークの友だちが
みんな集まってきました。


「マークは死ぬまでこれを
 持っていてくれたんだよ。
 ほら、みんなの書いてくれた言葉が一つずつ
 ここにのっている」



と先生が言いました。
すると、そこにいたりりしい立派な青年たちが、
ズボンのポケットから紙を出して、


「先生、僕も持っているよ」


と言いました。


「僕も、持っているよ」


と他の子も胸のポケットから紙を
取り出しました。
マークの葬儀に集まった教え子たちは、
1人残らず、その紙を取り出して先生にみせました。



「マークの思いは僕たちと
 一緒だったと思う。
 自分ではそんな良さがあるなんて
 思いもしなかった。
 考えもしなかった。
 でも、自分の中に
 こんな良いところがある
 ということを友達が認めてくれた。
 それがとてもうれしかった。

 落ち込んでもうダメだと思うとき、
 あるいは、戦争でもういつ死ぬか、
 殺されるかという危険な状態にあっても、
 自分には皆が認めてくれた
 良さがあると思うと、
 また力が湧いてきました。
 そして生き延びてこられた」




ということを、青年たちは、
口々に先生に話しました。
先生は、あのとき、生徒が手におえなくて、
必死の思いで考えついたことでした。


それがこんなにも青年たちに
影響を与えている、
ということを知って愕きました。
それぞれが素晴らしい青年に
成長していました。



ともすると、先生というのは、


「あの子はしょうがない、
 この子もしょうがない」



という思いで見がちですが、
1人ひとりの中には
本当にすばらしいものがある。
だからこそ、おんなに立派な青年になって、
素晴らしさを発揮しているのだと、
ということをつくづく感じました。


生きたダイヤモンドのように
光を輝かせるもの
そういうものがどの人の中にもあります。
そして私たちの一生は、
それを輝かせるために命が与えられている、
ということを強調しています。




あなたが自分の長所を認めることができたら、
次はあなたの隣の人の宝を探してみてください。
そして身の周りの人たち、
家族の人たちの宝探しをしてあげてください。

それぞれの素晴らしさを認め合うこと、
それが自分の素晴らしさになり、
自分のいらない物を脱ぎ捨てていく
一つの秘訣かもしれません。
やってみてください。
きっと、人生が変わります。


《ここまで引用》



というお話でした。
誰かに自分の良さを認めてもらう、
その良さを受け止めてもらう、
それがどんなに大切で、
生きる力となることか、
教えてもらったように思いました。

自分の良さというのは、なかなか
自分ではわからないものです。
そして、良さより、悪いところの方を
強調されて言われることが多いものです。
(しつけの意味もあるでしょうが)

こうして、互いに認めあえたら、
とても嬉しいことですよね。
私は、この本を読んでから、
周りの人の良さをみつけて、
それを伝えようと思いました。


今どきは、理不尽な犯罪を起こす人が
増えているように思いますが、
こんな紙を持っていたら、
そのような犯罪はなかったのではないか、
と、思ったりもしています。







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