INDEX西部オフライン

2000年07月25日(火) 女子高生です

 
 
家に帰ってさっさと休みたいのに、目の前に余計な邪魔が突っ立っている。
どこからどう見ても普通の女子高生。見覚えが無いそのガキは武蔵の後を付いて来たという。武蔵が少女に気が付いたのはアパートのドアを開ける直前の事だった。

「俺も入れてくれよ」
「は?何だおまえ」

金髪に赤いリボン。見せるつもりかと思わせるような短いスカート。そもそも中に何かが入っていると思えない程薄い鞄。武蔵の手元にするりと入り、開けようとしていたドアの前に立ちふさがる。意味が分からず片眉が上がる。

「さっきの電車で見て、イイナーと思ってよ」
「……他をあたれ。俺にそういう趣味はねえ」
「なんだよ、インポ野郎」

武蔵は小柄な娘を睨んだ。何のつもりか知らないが、これ以上つまらない事に時間を使いたく無い。

「さっさと帰れ。いい加減にしないと警察呼ぶぞ」
「俺さあ。今、パンツ履いてねえんだよな」
「……なんだと?」
「ここで警察呼ばれたら、あんたの方が不味いんじゃねえの?」

老けている、無駄に不機嫌そうだと言われている顔に力を込めて睨み付ける。小娘は気にした様もなく部屋に入れろと要求を繰り返した。

「あんたの部屋ん中でパンツはかせてくれよ」
「……何のつもりだ」
「別に。やりてえなって思っただけだよ」

強引にドアを開けようとしても案外力は持っているらしい。

「俺が警察呼んでもいいんだぜ?」

目の前に突き付けられる携帯の画面。御丁寧にも110ではない。この近くの派出所の名前が登録されている。

「お前、この近所のヤツか?」
「まあな」

どんどん状況が悪くなる条件が積み上がる。勘弁してくれ。俺が一体何をしたんだ。

「俺の事、いやか?」
「子供に興味がねえんだよ」
「俺とあんた、多分同い年だと思うぜ?」

武蔵の眉両方が大きく上がった。

「俺に興味、沸いただろ?」

戸惑いを隠せない武蔵の首筋に小娘が両手を巻き付けて来た。

「俺の事、中に入れてくれよ」


この勝負、武蔵の負け。










やまだ