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2000年07月23日(日) ムサヒル中学生

 
 
高校生ムサヒル。

武蔵の家でだらだら休日を過ごしているヒル魔。
金曜日に武蔵宅へ遊びに行って、家に帰る時間がずるずるのびて、
お決まりのようにそのまま泊まる事になった。
いつものこと、と片付けられる程武蔵の家に泊まる事は多い。

そして、土曜。
適当な時間に起きて朝食を食べた後、武蔵の後について離れへと戻る。
そのときから武蔵の様子がおかしかった。
いつもなら偉そうに伸ばしている背筋が曲がり、片手が腹に添えられている。

「腹、おかしいのか」
「なんか変だ……」

部屋に戻ると、まだ少し体温が残る布団の上にごろりと転がる。

「具合わりい……」
「トイレで出して来い」
「出てこねえんだよ……」
「詰まってんのか」
「なんか、なーー」

武蔵の片手が腹を撫でる。こいつの身体は随分と頑丈だ。
体調を崩す事は滅多になく、そのせいなのかたまに訪れるこんな時はとても気弱な面を見せる。
冬の風呂上がりに裸で過ごしても風邪さえひかない頑丈さが取り柄なのだから
正露丸でも飲めばさっさと治りそうだとも思う。
武蔵は落ち着き無く布団の上をごろごろと転がっている。
普段とは違うぐだぐだっぷりにヒル魔は武蔵の頭を叩いた。

「何すんだ」
「治してやってんだよ。つむじ叩けば下痢になるって言うだろ」
「?つむじ叩いたら便秘になるんじゃないのか」
「逆だろ」
「そっちが逆なんじゃねえかよ」

布団に腹這いになって文句を言う武蔵が面白くてヒル魔は本格的に頭をこずいた。
つむじがあると思われる所をだ。

「やめろっつうか、つむじはそこじゃねえよ」
「ん?どこだ?」

寝起きでぼさぼさの髪の毛をかき分けながら、ヒル魔は武蔵のつむじを探す。

「何でてめえ、こんなトコにつむじあんだよ!」
「あんま、頭触るな……」

弱っている武蔵はヒル魔の手を降り解けない。

「ひとつ、ふたつ……4つもあんぞ!」
「触るな……」
「ガキの頃、ゲリボタンて呼ばなかったか?」
「触るなぁ…………」

最後にはヒル魔の詮索から逃れる事を諦めて、武蔵はヒル魔の腰に両手を回した。
普段は横柄とも言える程の態度を取る武蔵。もちろん本人に悪気は無い。
少し腹の具合が悪いだけでこれ程弱気になってヒル魔に近付いてくる武蔵。
もちろん本人に自覚はない。

「てめえにも腹痛、うつしてやる」
「出来るもんならやってみな」

具合が悪い癖に接触するためすり寄ってくる武蔵の頭を、ヒル魔は更に両手で崩した。
やっていることは同じでも、いつもとは少し雰囲気が違う。
ヒル魔が武蔵を甘やかす珍しい関係。武蔵がヒル魔に甘える少ない機会。




いつもとは違う面を見せる武蔵の不調時が、ヒル魔はそれ程嫌いではない。








やまだ