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| 2000年05月18日(木) |
こうはーーん。やっぱりあんまり変態じゃないか。がく。 |
ムサシは後に響かないセックス。 武蔵は後に残るセックス。疲労と硬直が溶けた後も、余韻だけがいつまでも残る。元は同じ人間だったのに、一体どこでこうなったんだろう。どちらが余計に良い訳でも無く、ヒル魔は3人でするセックスが好きになった。
武蔵とのコトは濃密で後を引きムサシとのコトはすっきりとして気持ち良い。何度繰り替えしても飽きが来ない。疲れもしない。何度でもやりたくなる。 こうして武蔵に抱かれている時も、ヒル魔はムサシを常に重ねた。いつもならムサシと楽しむ授業中の部室での行為。それを武蔵としている違和感。ここにムサシがいない違和感。
こんな所をムサシが見れば、一体どう思われるのだろう。 2人に共通しているのはとても深い嫉妬の気持ち。多分ムサシは怒って責める。根掘り葉掘り詳細を聞きながら、同じようにしたがるだろうか。それとも記憶を上書きするように何度も何度もするのだろうか。 2人で授業を抜け出して。2人で部室に、ずっとこもって。適当に嘘も交えながらお前との方が好きだと言って、その場限りの言葉で煽って何度も何度も吐き出すのだろうか。
想像の中と現実の快楽を重ねながら喘ぐヒル魔がイク、と思う所で流れはまた塞き止められた。恨みと辛さに抗議の声は、意思と反して甘く掠れる。 「っ……!ひ……っ」 イきたい、イきたいと体は望んで武蔵の手の中で痛い程に股間が勃ちあがっている。内から溢れてくるもののために、体は硬直と弛緩を繰り返す。欲求は強い。ますます高まる。疲労はたまり、意識が薄れる。中をかき混ぜる武蔵の突き上げがそんな中で際立って強い。
イけないツラさが、たまらなく気持ちいい。
長く塞き止められる程、渦巻くモノが内からざわめく。 肉を伝い、骨を食み、背を震わせて甘く広がる。だからそれの終わりを望む。
早く、はやく、ハヤクイカセテ。
奥を突かれてざわめきが走る。脚に、腰に、腿に、膝に。力が入りがくりと抜ける。押し上げられる快感は、息も満足につかせてくれない。ヒル魔の全身がこわばったまま、焦らされる時間ばかりが過ぎる。 「んっ…ぃやっ……、やっ……だ……」 耐えさせられているこの時間。無理に押し込められるこの焦らし。それがやがて来る快感の強さを思わせてくれるからヒル魔は大人しく武蔵の許可を待つ。 「はやっ……く……、ひゃっ……あぁっ!」 突っ伏していた机の上に、唾液が口からこぼれ落ちる。 「出っさせ、ろっ………」 恥ずかしい、という物も消えて自分の意思で両足を広げた。机に乗るほど折り曲げていた右足の感覚はどこか遠い。残る左をぎりぎりまで遠くへ伸ばし、武蔵を受け止め、締めて喘ぐ。 「っ……、むりっ……」 握る武蔵の指の上から、ヒル魔の指が力なく絡み付く。放置されている先端をなぞり、イけない自慰にすすり泣く。あわせるように胸をつままれ、強く捻られ全身がわななく。 「ぃやっ………、ひっ……」 「イきてえか?」 言葉にならず、ヒル魔が頷く。 「我慢、しろ」 「無理っ……、む……りっ……」 液をこぼす先端を引っ掻くヒル魔の指さえ緩慢に震える。どこを触られ、どこを撫でても、生まれるのはもう疼きばかり。 「たの、むっ……、く……るしっ……」 「どんくらい?」 「おかしく、な……」 耳元で武蔵が笑って返した。 「てめえは、とっくに、おかしぃんだろ?」 言葉の意味にさえヒル魔は痺れる。息が乱れた声にさえ喘ぐ。 堰を切ったように武蔵は動き、腰を大きく突き上げた。 「ひやっ……、ひっ……、す…げっ、………んっ」 終わるための大きな動き。ヒル魔の根元からも手が離れる。 両の脚を強くつかまれ、ヒル魔の体が突かれて踊る。 「イっ……く…、イっちま……っ、……っ!!」 武蔵に仕込まれた終わりの言葉。何度もイク、と繰り返した挙げ句ヒル魔は最後に言葉を切った。 「あぁ――――――っ!!」 のけぞり、強ばり、一気に吐き出す。背後で武蔵が息をつめて、共に果ているのを感じながらヒル魔は2度、3度と続く射精を何度も味わった。塞き止められていた全部を吐き出し、吐き出しても尚湧き出る衝動に、無意識なまま腰を揺らす。 残った物を吐き出すように、武蔵も惰性で腰を振る。動く刺激で名残りが漏れ、力を失った先端からはまだ、尚、床へと精液が散った。 ヒル魔の膝ががくりと崩れてそれを武蔵がなんとか支える。 「随分出したな、たまってねえのに」 べっとりと白いモノが散った床を見下ろし武蔵がヒル魔の精を揶揄する。 机に完全につっぷしたヒル魔は乱れた呼吸を整えている。 体の中から武蔵が抜けて、急に腹が空になる。そんな感覚に不安を感じた。 あれほどヒル魔を狂わせていた、熱くて太いものが無い。 最中はとても辛いばかりなのに終わった後はとても切ない。
「……腹、減った」 「もう昼だからな」 ヒル魔の意図した意味を全く汲み取らず武蔵が答える。 「シャワー、先に使うぞ」 ねむたそうな欠伸を交え、武蔵はさっさと部屋を出る。そんな背中を見送りながらヒル魔は全身に残る余韻と疲労にどっぷりと浸かった。武蔵にはきっと分からないんだろう。コレがどんなに気持ち良いのか。 武蔵の姿がシャワールームに消えるとヒル魔は目だけで時計を見上げた。
昼の休みはどこも共通。だから「あいつ」も空き時間になる。
武蔵とのセックスはとても激しい。 たった1回。けれど濃厚で余韻はしばらく消える事が無い。 言葉にするならこってり、たっぷり。満足感は十分にある。 けれど、足りない。もっと、欲しい。 焦らされ続けた身体の本音はそんな欲求を訴える。
もう一歩も動きたく無い。このまま眠ってしまいたいと思う。 なのに、腹の底から沸き上がる衝動がまだ残る。 やりつくした、と思う程に気持ちがよくて凄かったのに。 武蔵との行為の最中も、ずっと重ねていたムサシとのセックスが欲しくなる。
携帯を取り出し、短縮を押す。
今から呼び出したとしても、時間は短い。生徒が溢れて場所も限られる。 クルマの影でも、路地の裏でも。どこでもいいから、ムサシとやりたい。 勢いにまかせて散らせるだけの、そんな軽いセックスをしたい。 何度も何度も楽しみたい。
ムサシと武蔵。ヒル魔は一人。なのに綺麗な三角関係。 武蔵が2人に増えたように、ヒル魔も増えたものがある。 今まで以上に欲求が強い。今まで以上に乾きが深い。 おかしなぐらいに、色に狂う。欲しい気持ちが押さえられない。 武蔵とする時はムサシを重ねる。 ムサシとする時は武蔵を重ねる。 片方だけでは満足出来ない。
2人を受け止める1つの身体。多分性欲は普通の倍で、武蔵と終わった直後でさえも欲しくて欲しくてたまらなくなる。携帯の向こうのムサシにすぐに来いとだけ告げて切る。
「武蔵」が2人になる前は、こんな強い衝動はなかった。 世の中は本当にうまく出来ている。 こんな奇妙でおかしな状況を、こんなに楽しめる身体になった。
武蔵がシャワーを浴びて出て来たら、先に教室に戻るように言い、ムサシをここで待ってみようか。それとも校外で待ち合わすべきか。 武蔵とすげえ気持ち良くやった、と言えばムサシはどうしてくれるだろうか。 疼く身体も、欲しがる身体も、全部武蔵とムサシのためだ。
この世は本当にうまく出来ている。 ヒル魔はそう思い静かに笑った。
やまだ
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